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診療の最前線

直径1cm弱の胆管に、内視鏡で入り込む 「スパイグラスDS」

膵臓と十二指腸の間にある「胆管」。細い器官であるため、これまでは内部撮影は困難でしたが、それを実現する新型胆道鏡「スパイグラスDS」を2019年11月から当院でも導入しました。高水準の画質、操作性などが特徴で、胆管の検査はもちろん、治療でも活躍しています。

従来の造影検査では正確な診断が難しい面も

胆管の位置脂肪を消化するために必要なのが、胆汁(たんじゅう)。肝臓で作られ、胆管を通って十二指腸に運ばれて消化の手助けをします。 この胆管にできた結石やがんを検査する際には、これまではERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)という手法で行っていました。カテーテルを使って胆管に造影剤を入れたあとX線写真を撮影するものですが、微細な診断まではできず、良性狭窄と悪性腫瘍(がん)の見分けが難しいなどの課題がありました。

精度の高いがん診断を実現

これらの点を大きく改善したのが、当院が2019年11月から導入した「スパイグラスDS」です。胃カメラと同じように口から管を入れ、胃や十二指腸を通って胆管に挿入しますが、胆管の内部から粘膜などを高画質で観察できるため、微細ながんの進行や範囲まで確認できます。操作性が高いことも特徴で、上下左右に思い通りに細かく動かすことができます。
簡単に言うと「胃カメラの胆道バージョン」ですが、胃カメラと違うのは、胆管は直径が1cm弱ほどで極めて細く、これまでは内部から高画質で撮影するのは困難でした。しかしスパイグラスDSは直径3.6mmのファイバーの中に、120度の広い視野角とオートフォーカス機能までついたカメラと、それ以外の複数の機能を備えています。
カメラ以外の機能の1つが「採取」。検査のために胆管内部の細胞の一部を切り取ることができます。この細胞を検査することで、高画質映像とあわせて診断の精度が格段に向上しました。

スパイグラスDS

水圧で結石の破壊もできる

もうひとつの大きな特徴が、検査だけでなく治療にも活用できる点です。管の先から強力な水圧で水を押し出すことで、胆道の結石を破壊することができ、さらに砕いた後の結石の吸引・回収まで行えます。
胆石が見つかっていたある患者さんの例では、どの病院でも胆石が大きすぎて取り除くのが困難(難治性胆道結石)だと言われて諦めかけていたときに当院へご紹介いただき、当院のスパイグラスDSできれいに胆石を破壊できました。

胆道疾患で悩む患者さんや医師に知ってもらいたい

スパイグラスDSの検査・手術にかかる時間はおよそ1時間。開腹もなく、管の挿入も口からなので患者さんの負担は大きくありません。熊本では当院が2院目で、全国的に見ても導入している病院はまだ多くありません。その理由は胆道が非常に細く操作が難しいためだと思われます。当院では4カ月ですでに12例の症例を実施しましたが、胆管がんが疑われる方や難治性胆道結石の患者さんにとっては大きな福音なので、この治療・検査を知らない方患者さんやお医者さんに知ってもらうことで、一人でも多くの患者さんを笑顔にできればと思います。

上川健太郎医師

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