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病院からのお知らせ

循環器内科 最高技術顧問 奥村 謙医師の論文がThe New England Journal of Medicine (NEJM) に掲載されました

欧州心臓病学会(2020年8月29日(土)-9月1日(火)オンライン開催)の8月30日(日)、セッションにて当院循環器内科 最高技術顧問 奥村医師が代表する多施設共同の臨床研究 「ELDERCARE-AF試験;超高齢心房細動患者における低用量エドキサバンの有用性と安全性の検討」が発表され、同日、医学雑誌の一つであるNew England Journal of Medicine(※)に掲載されました。
本研究は、今後国内に於ける高齢者の心房細動への薬物療法が安全かつ効果的に行われる可能性を示唆した、画期的な結果といえます。

※The New England Journal of Medicine (NEJM)
 医学界のトップジャーナルとして、また情報提供の優れた媒体として国内外の医師・研究者から高い評価を受けています。

論文の詳細について、以下にご紹介します。

論文(日本語簡潔版)

Low-Dose Edoxaban in Very Elderly Patients with Atrial Fibrillation
「超高齢心房細動患者における低用量エドキサバンの有効性と安全性の検討」

K. Okumura, M. Akao, T. Yoshida, M. Kawata, O. Okazaki, S. Akashi, K. Eshima, K. Tanizawa, M. Fukuzawa, T. Hayashi, M. Akishita, G.Y.H. Lip, and T. Yamashita, for the ELDERCARE-AF Committees and Investigators

<背景・目的>
超高齢心房細動患者への抗凝固療法は出血への懸念から必ずしも全員に実施されていない。そこで、既存の経口抗凝固薬の承認用法及び用量での投与が困難と判断された出血リスクの高い80歳以上の非弁膜症性心房細動患者対象にエドキサバン15mg1日1回投与時の有効性(脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制)及び安全性(出血性イベント等)をプラセボを対照に比較検討することとした。
※本試験は新たにエドキサバン15mgの承認取得を目指した開発治験であり、現在エドキサバン15mgは適応外となっている。

<方法>
本試験は多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較、イベントドリブン試験である。

<結果>
984例が無作為化されエドキサバン群およびプラセボ群にそれぞれ492例が割り付けられた。
主要評価項目である脳卒中および全身性塞栓症の年間発現率は、エドキサバン群2.3%に対し、プラセボ群6.7%で、エドキサバン群の優越性が示された。
安全性評価項目の一つである大出血の年間発現率は、エドキサバン群3.3%に対し、プラセボ群1.8%で、エドキサバン群において高い傾向にあったが、特に臨床的に問題と考えられる致死的な出血や頭蓋内出血は、両群間で差はなかった。ただし、消化管出血はエドキサバン群で多く認められた。

<結論>
既存の経口抗凝固薬の承認用法及び用量での投与が、出血を懸念するために困難と判断される高齢心房細動患者に対して、新たなエドキサバンの用法・用量として、15 mg 1 日1 回経口投与が脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制に有用であると考えられた。

論文はこちら 
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2012883 掲載サイトはこちら

奥村 謙略 歴
氏名:奥村 謙(おくむら けん)
昭和51年3月 熊本大学医学部卒業
昭和58年7月 米国アラバマ大学医学部内科循環器部門留学(リサーチフェロー)
平成 8年4月 弘前大学医学部内科学第二講座 教授
平成28年4月 済生会熊本病院 心臓血管センター 循環器内科 不整脈先端治療部門 最高技術顧問
専攻:内科学、循環器病学(とくに不整脈、虚血性心疾患、冠循環)

奥村医師よりコメント

80歳以上で出血リスクの高い心房細動患者に対する抗凝固療法は困難です。ガイドラインでは適応となっても、しばしば無投薬でフォローされ、重症の脳梗塞で倒れる患者も多く見られます。本研究ではそういう超高齢+ハイリスク患者を対象とし、現時点はオフラベルのエドキサバン15mgの有効性、安全性を検討しました。結果は上記の通りですが、保険適応が追加されれば、超高齢ハイリスクの非弁膜症性心房細動患者への処方の一つとなりうると思われます。わが国では高齢化がさらに進行し、フレイルティと評価される方も多くなるでしょう。本研究のような前向き臨床研究により、超高齢ハイリスク集団におけるエビデンスを構築する必要があると思います。

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