WATCHMAN™

左心耳閉鎖システム(WATCHMAN™)を用いた 心原性脳塞栓症予防カテーテル治療

WATCHMAN™による左心耳閉鎖療法は、左心耳(LAA)で形成された血栓による塞栓症を予防し、長期間の抗凝固薬の服用ができない心房細動(AF)患者における代替療法となることで、生命を脅かす危険性がある抗凝固療法による出血リスクを低減することを目的としています。

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introduction

心臓由来の脳卒中とは?

不整脈のなかでも「心房細動(AF)」は近年急増し、高齢化が進む我が国で患者数は2010年の約80万人から、2030年には100万人を突破すると予想されています。

心房細動では、不快な自覚症状の出現や心不全の発症リスクの増加だけでなく、心原性脳塞栓症の発症リスクが5倍に上昇するとの報告があり、血栓の90%は左心耳(LAA)で形成されます。

左心耳閉鎖システム(LAA)の位置イメージ

グラフ:わが国における心原性脳塞栓症の割合

治療について

WATCHMAN™は、開心術をする必要がなく、鼠径部の静脈から細い管(カテーテル)を通して心臓に挿入され、左心耳を閉鎖するデバイスです。

WATCHMAN™による左心耳(LAA)閉鎖療法は、左心耳(LAA)で形成された血栓による塞栓症を予防し、長期間の抗凝固薬の服用ができない心房細動(AF)患者における代替療法となることで、生命を脅かす危険性がある抗凝固療法による出血リスクを低減することを目的としています。

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flow

鼠径部(太ももの付け根)の大静脈からカテーテルを通して、心臓に挿入します。

鼠径部(太ももの付け根)の大静脈からカテーテルを通して、心臓に挿入します。

X線と経食道心エコー(TEE)で確認を行い、経心房中隔穿刺システムを用いて心房中隔を通過します。

X線と経食道心エコー(TEE)で確認を行い、経心房中隔穿刺システムを用いて心房中隔を通過します。

目的の場所(左心耳)までカテーテルををすすめたらWATCHMAN™を展開し、留置します。

目的の場所(左心耳)までカテーテルをすすめたらWATCHMAN™を展開し、留置します。

WATCHMAN™を覆うように内皮化が進み、左心耳(LAA)が永久に閉鎖されます。患者さんは、手技後約45日間はワルファリンの内服を継続します。経食道心エコー(TEE)で閉鎖していることを確認します。

WATCHMAN™を覆うように内皮化が進み、左心耳(LAA)が永久に閉鎖されます。患者さんは、手技後約45日間はワルファリンの内服を継続します。経食道心エコー(TEE)で閉鎖していることを確認します。

WATCHMAN™

watchman™

左心耳(LAA)を閉鎖し血栓の移動を防ぐことにより、
脳卒中および全身性脳塞栓症のリスクを低減するよう設計されています。

治療動画

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indication

  1. 脳卒中のリスクが高い方
  2. 短期的(45日間程度)にワルファリン投与が可能な方
  3. 抗凝固療法を長期間実施できない方

上記に該当する方を事前の診察・検査等を経て、ブレインハートチームが判断させていただきます。

機械弁を埋め込まれている方等、本治療を実施できない場合もありますが、気になる方はかかりつけ医または当院までご相談ください。

organization for treatment

ブレインハートチームによる治療

この治療はカテーテル治療専門医(循環器内科医)、エコー専門医、麻酔科医といった
これまでカテーテル治療に携わってきた医師だけでなく、脳神経内科医もチームに参加をしています。
当院では、心原性脳塞栓症を予防するためこれまでのハートチームに脳神経内科医を加えた
「ブレインハートチーム」というチームで治療にあたっています。

ブレインハートチームイメージ

doctor

循環器内科部長:坂本 知浩

循環器内科部長

坂本 知浩Tomohiro Sakamoto

心臓のカテーテルインターベンション史上初
予防を目的とした治療が始まります

これまでのカテーテル治療は、大動脈弁狭窄症に対するTAVIや、僧帽弁逆流に対するMitraClipなど、いずれも症状を有する心疾患に対し治療が行われてきました。すなわちそれらの疾患では、患者さんはカテーテル治療を受けることで、その効果を実感することが出来たわけです。

しかしながら今回のWATCHMAN™療法では、基本的に患者さんは治療の前後で、何ら症状の変化を実感できないでしょう。それはこの治療が、心臓由来の脳梗塞の発症を「予防」する目的で行われる治療だからです。そのため、このWATCHMAN™療法では、これまでのカテーテル治療と比べ、より安全かつ確実に治療が行われなければなりません。私たちは、これまで種々のカテーテル治療で培った技術を活かして、より安全で確実な「予防」を目的とした治療を進めて参ります。

循環器内科部長:岡松 秀治

循環器内科

岡松 秀治Hideharu Okamatsu

循環器内科の様々な
専門分野を持った医師が協力

循環器内科という診療科は、非常に幅の広い分野で、1人の医師ですべての範囲をカバーすることが難しくなっています。
当院の特徴は、循環器内科の中でも様々な専門分野を持った医師が協力して診療にあたることで、診療レベルを広い分野で高く保つことができている点にあります。左心耳閉鎖デバイス留置の治療も1人の医師ですべてを完遂することは難しく、不整脈専門医・超音波専門医・構造的心疾患の治療医の協力が必要となります。
まさに、当院の強みを最も活かすことができる治療だといえます。

Q&A

どのような患者さんが対象となりますか?

既往歴などが要因で血栓を防ぐための抗凝固薬を飲めない方や高血圧等の基礎疾患があり再発リスクが高い方などが対象となります。

麻酔について教えてください。

経食道心エコー検査下での治療になるため、全身麻酔で実施します。

治療後も抗血栓療法が必要ですか?

原則として、手術後45日間はワルファリンを服用頂きます。手術後45日で、92%以上の方がワルファリンが中止可能です。

入院期間はどれくらいですか?

一般的に入院から退院まで約4日です。術前1日、術日、術後約2日で退院の流れです。
ただし、症状等により入院期間には個人差があります。

治療費はどれくらいかかりますか?

この治療は健康保険の適用となる治療です。
さらに、高額療養費制度をご利用することにより費用の負担を少なくすることが可能です。

例)WATCHMAN™治療4日の入院の場合(健康保険を利用。入院期間が月をまたがない場合。)

年齢

健康保険を使用される場合

高額療養費制度を使用される場合

70歳未満 約72万円(3割負担)
所得区分 高額療養費制度を
利用した場合
年収約1,160万円〜の方 約26万円
年収約770〜
約1,160万円の方
約18万円
年収約370〜
約770万円の方
約10万円
〜年収約370万円の方 57,600
住民税非課税の方 35,400
70歳以上 57,600円(所得により異なる場合があります) 57,600
70歳未満
健康保険を使用される場合
約72万円(3割負担)
高額療養費制度を使用される場合
年収約1,160万円〜の方 約26万円
年収約770〜約1,160万円の方 約18万円
年収約370〜約770万円の方 約10万円
〜年収約370万円の方 57,600円
住民税非課税の方 35,400円
70歳以上
健康保険を使用される場合
57,600円(所得により異なる場合があります)
高額療養費制度を使用される場合
57,600円

制度の変更により、詳細は変更する場合がございます。高額療養費制度についてはこちら(食事代、個室代等は別途必要になります)