済生会熊本病院の歩み
地域医療を支え、未来へ進化する歴史
済生会熊本病院は、1935年(昭和10年)に「済生会熊本診療所」として誕生して以来、2025年9月には90周年を迎えた歴史を持つ病院です。
明治天皇の「恵まれない人々を救う」という「済生」の心を受け継ぎ、地域住民の健康と福祉に貢献するため、常に医療ニーズに応えながら発展してきました。
地域とともに成長した、挑戦と発展の軌跡
当院は、設立から現在に至るまで、数々の困難を乗り越え、地域医療の中核を担う存在へと成長を遂げてきました。
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1935年〜1950年代 開設と戦後の再建
1935年の診療所開設後、病院への昇格と増床を重ねましたが、1945年の空襲で全焼するという苦難を経験しました。
しかし、地域医療への使命感のもと、わずか2年後の1947年には診療所を再開。その後も移転と増床を繰り返し、地域に根差した医療提供体制を確立していきました。
1935年 診療所開設後
1958年 段山時代の熊本病院 -
1960年〜1980年代 専門医療の拡充と規模拡大
1961年には短期人間ドックを開設し、予防医療にも力を入れ始めました。
1965年には脳神経外科(現脳卒中センターの礎)を開設し、専門性の高い医療を提供。
1971年には人工透析を開始、1975年には胃腸科(現消化器病センター)、1976年には循環器科(現心臓血管センター)を開設するなど、診療科の拡充を進めました。
この時期に、CTスキャンを設置するなど、高度医療機器の導入も始まり、病床数も着実に増加し、1987年には現在の基礎となる400床体制を確立しました。
1961年 短期人間ドックの開始
1975年 胃腸科の開設 -
1990年〜2000年代 新病院開設と高度急性期医療への転換
当院の歴史の中でも特に大きな転換点となったのは、1995年(平成7年)の現在の熊本市近見の地への新病院開設です。これにより、最新の設備を備えた大規模病院として、さらに高度な医療提供が可能となりました。
1996年にクリニカルパス導入
1997年には、「第1回クリニカルパス大会」を開催。
1999年にガンマナイフが導入され、脳腫瘍などの治療に新しい選択肢が加わりました。
2000年には急性期特定加算の認可を受け、急性期医療への特化を明確化。2006年には地域医療支援病院、2008年には地域がん診療連携拠点病院の認可を受け、またその間の2007年に「外来がん治療センター」を竣工し、地域医療の中核としての役割をより一層強化しました。
1995年 近見への移転
1997年 第1回クリニカルパス大会の開催 -
2010年〜現在 国際水準の医療と教育・研究体制の確立
2010年には救命救急センターの指定を受け、地域における救急医療の最後の砦としての使命を担っています。
2011年には電子カルテを導入し、医療情報の一元化と効率化を推進しました。
また、2013年(平成25年)に手術支援ロボットda Vinciを導入、そして同年に国際的な医療の質と患者安全の認証であるJCI(Joint Commission International)認証を西日本で病院として初めて取得し、JCI認証はその後も更新を重ねています。
人材育成にも力を入れ、2015年には教育研修センターをオープンし、卒後臨床研修評価(JCEP)認定も取得するなど、職員の継続的な学習とキャリアアップを強力にサポートする体制を整えています。
近年では、2019年にロボット・低侵襲手術センターを開設、2021年にはがんゲノム医療連携病院に指定されるなど、最先端の医療の提供に積極的に取り組んでいます。
そして、2024年(令和6年)には南九州で初となる3台目のda Vinciを導入し、より多くの患者さんに低侵襲で質の高い治療を提供できる体制を確立しました。
2010年 救命救急センター指定
2013年 JCI取得認証
2015年_教育研修センターオープン
2013年 ダヴィンチ導入
未来へ向けた挑戦
医療の最前線でともに
済生会熊本病院は、過去の歴史に安住することなく、常に未来を見据えて挑戦し続けています。2025年には臨床研究センターも発足し、人材育成と医療の発展に貢献していくことを目指しています。
私たち済生会熊本病院は、質の高い医療を提供し続けるとともに、職員一人ひとりが成長できる環境を大切にしています。
この豊かな歴史と革新の精神が息づく環境で、あなたの専門性を高め、地域医療の最前線で私たちとともに働きませんか?