音声・言語・聴覚機能のスペシャリスト
コミュニケーション機能の回復をサポート
部門長メッセージ
リハビリテーション部の理念は「患者のストーリーに責任を持つ」です。その実現のために我々は真のプロフェッショナルを求めています。真のプロフェッショナルとは自立と自律を兼ね備えた人材です。我々は疾患別チームを通じ将来にわたり学び続けられる環境を用意します。「患者のストーリーに責任を持つ」存在になるためには、絶えず研究と修養が求められる専門職であることを自覚し自立して専門性を高めることを求めます。また、医療の拡がり、時間軸のいずれも、私たちは「部分にすぎない」ことを認識し連携医療を行う上で高い自律を求めます。
山田 浩二

リハビリテーション部の特徴・取り組み

当院リハビリテーション部では、年間約8,000例という日本有数の症例数を誇り、救急、脳卒中、運動器、心臓、呼吸器、廃用の6つの専門チームが診療部門と緊密に連携しながら、質の高いリハビリテーションを提供しています。
入院もしくは手術の翌日までに、95%以上の症例でリハビリテーション依頼を受けており、入院早期からの介入を徹底しています。これにより、患者さんの早期回復と社会復帰を強力にサポートしています。
また、当院では病棟配属制を採用しており、リハビリスタッフが各病棟に常駐することで、医師・看護師・薬剤師・栄養士・管理栄養士などとの多職種連携が日常的に行われているのが特徴です。チーム医療の一員として、患者さん一人ひとりに最適なリハビリテーションを提供できる環境が整っています。
在院日数は平均約9日と限られた期間ですが、リハビリ開始時から転院・退院後の生活を見据えた地域完結型リハビリテーションに取り組んでおり、急性期から生活期まで切れ目のない支援を実現しています。
スタッフは、学会発表や呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士などの専門資格取得にも積極的に取り組んでおり、自己研鑽を重ねながら専門性を高めています。
患者さんの回復を支えるだけでなく、スタッフ自身も成長できる環境が整っております。
言語聴覚士
入院直後より早期に介入し、言語障害や高次脳機能障害の評価・診断・訓練を実施します。また、嚥下内視鏡検査や嚥下造影検査を通して嚥下障害の診断・訓練を行います。理学療法士や作業療法士だけでなく、医師や看護師と協力して診療を行っております。
研修・教育体制
当院では、入職したセラピストのやりがいを引き出すために、希望する専門チームでの技能向上を図る体制を整えています。新人セラピストは、救急・脳卒中・運動器の各リハビリチームで基礎技能を習得した後、本人の希望に応じて専門チームへ配属されます。経験者の場合は基本的にチーム間のローテーションは行いませんが、半期ごとに希望を確認し、必要に応じてローテーションを実施することで、さらなる能力向上を支援しています。
業務範囲の拡大は、チームリーダーや教育担当者が個々の成長に応じて判断し、段階的に進めていきます。入職初期は教育担当者との共診からスタートし、十分なリスク管理のもとで徐々に診療の難易度を上げていくため、安心して臨床経験を積むことができます。
また、当院では医療安全推進者を中心に医療安全文化の醸成に注力しており、安全なリハビリテーション提供環境の中で業務を遂行できます。
教育面では、呼吸療法認定士や心臓リハビリテーション指導士などの専門資格取得を積極的に支援しており、スタッフの専門性向上を後押ししています。さらに、学会発表を希望する場合には、経験豊富なセラピストが指導者として伴走し、発表準備をサポートします。これにより、若手スタッフでも安心して学会活動に取り組むことができます。
学会参加や外部研修に関しては、公費による支援が可能であり、学びの機会を経済的にもバックアップしています。
仕事(ワーク)だけでなく生活(ライフ)にも配慮した職場環境の中で、済生会職員としての人間的・専門的成長を目指すことができます。

レジデント制度
当院では、2022年のリハビリテーション対象者の平均年齢が75歳と高齢であり、多くの患者さんが多疾患併存(multimorbidity)状態にあります。こうした患者に対して適切なリハビリテーションを提供するためには、幅広い医学的知識と多角的な視点が不可欠です。
こうした背景のもと、当院では、若手セラピストが安全かつ体系的に臨床力を高めることができる場としてレジデント制度を導入しています。レジデント制度では、充実した教育体制のもとで多様な症例に触れながら、実践的な力を養うことが可能です。
また、当院独自の研修を毎週実施しており、日々の臨床経験を理論的に振り返りながら、知識の定着と応用力の向上を図ります。さらに、全国のレジデント施設が主催する合同研修会の受講も可能で、他施設の教育内容に触れることで、より広い視点から学びを深めることができます。
勤務は土日・祝日を除く平日のみで、ワークライフバランスにも配慮された働き方が可能です。どの領域で働くべきか迷っている方も、2年間の制度期間を通じて、自分の進むべき道を見つけることができるよう、個々の成長を丁寧に支援しています。
資格取得者数
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医療安全推進者
32人
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呼吸療法認定士
25人
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がんのリハビリテーション研修修了者
19人
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臨床実習指導者講習会修了者
PT10人
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臨床実習指導者講習会修了者
OT7人
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心臓リハビリテーション指導士
7人
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心不全療養指導士
7人
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心電図検定2級
2人
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フットコントロールトレーナー
4人
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認定理学療法士
(循環器)2人
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認定理学療法士
(脳卒中)1人
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集中治療理学療法士
2人
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専門作業療法士
(脳血管障害)2人
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認定作業療法士
3人
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AMPS(Assessment of Motor and Process Skills)修了者
2人
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ノーリフトケアコーディネーター
2人
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腎臓リハビリテーション指導士
2人
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NST専門療法士
1人
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ACLS Provider
1人
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公認心理士
1人
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臨床神経心理士
1人
※2025年4月1日現在
※資格者数はリハビリテーション部全体の人数にて集計
ある1日のスケジュール例

よくある質問
Q 最初はどのような業務から従事しますか。
A
経験者は専門知識を生かし、希望の配属先に配属し、チームリーダー、教育担当者の指導の下、業務に従事します。新人の場合は各疾患別チームをローテーションし、基礎技能を習得した後に、希望の配属先への配属となります。
Q 教育担当者は配置されますか。配置される場合、どのくらいの経験年数のスタッフがつきますか。
A
教育担当者は臨床10年前後のセラピストが担います。