集中治療医が持つ臓器別専門性を活かした
「Multidisciplinary ICU」を目指す

部門長メッセージ

当院は年間7000台の救急車搬送を受け入れる急性期病院で、ドクターヘリやドクターカー(Mobile CCU)を運用し、県内外から搬送される急患に対応しています。JCI認証を取得し、質の高い医療を提供することにも力を入れています。
集中治療室はCCUとしてスタートし、心血管疾患に強みを持ちながら、他科の重症患者も受け入れています。これまで培った循環管理のノウハウを活かし、全身管理にも対応できる体制を整えています。
診療は、毎朝のカンファレンスで情報共有を徹底。救急・総合診療科や各科と連携し、外傷や重症内科疾患にも対応します。日本集中治療医学会の研修施設に認定されており、専門医取得も可能です。幅広い症例を経験したい方を歓迎します。

澤村 匡史

診療内容

当科では、Common Diseaseから希少疾患、急性期から慢性期、臨床から研究まで、集中治療の幅広い領域を深く経験できます。とりわけ以下の領域では、国内でも先進的な環境を提供します。

先進医療

最先端の補助循環治療
IMPELLAやECPELLA(ECMO+IMPELLA併用)など、最先端の補助循環治療を導入し、心原性ショックや院外心停止患者に対する救命率・社会復帰率の向上に貢献。心肺脳蘇生(CPCR)を意識したE-CPR(体外循環式心肺蘇生)にも取り組み、脳蘇生を重視した治療体制を構築しています。

症例の質と量

全国トップクラスの重症疾患に対応
重症循環器疾患、敗血症、高エネルギー外傷など、重症度の高い症例が豊富。日本集中治療医学会推奨のデータベースJIPADに登録していて、これによると重症度は国内でも有数で(2023年JRODによる予測死亡率約10.8%)、特に救急症例の治療成績に優れており(JROD調整SMR、成人重症1.01、緊急手術例<25パーセンタイル)、診断・治療能力を実践的に磨くことができます。ドクターカーやドクターヘリによる搬送体制も整備され、遠隔地からの重症患者対応も可能です。

集学的・チーム医療

多職種連携による全身管理
臨床工学技士、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、ソーシャルワーカーなどがICU専属で配置され、毎朝の回診に参加。診療科の垣根を越えたシームレスな連携体制により、患者一人ひとりに最適な医療を提供します。

専門性の高い疾患

急性心筋梗塞、心原性ショック、心肺停止、重症感染症、多臓器不全など、集中治療を要する疾患に対して、迅速かつ高度な医療を提供。2024年度の入室症例684例のva-ECMO実施率5.9%、人工呼吸器使用率67.8%、血液浄化法14.7%など高度な技術を駆使し、患者の予後改善に努めています。

一般的な重症疾患(Common Disease)への取り組み

敗血症、呼吸不全、急性腎障害など、日常的に遭遇する重症疾患に対しても、専門的かつ包括的な診療体制を整備。急性期から慢性期への移行を見据えた全身管理を行い、患者さん一人ひとりに寄り添った医療を提供しています。

教育体制

症例数、指導体制、チーム力。次世代の集中治療専門医が育つ環境が、ここにある。

対象疾患:心原性ショック、蘇生に成功した心停止、重症感染症、多臓器不全など、全身管理を要する重症疾患に幅広く対応。「全身を診る力」を養う教育環境が整っています。
症例数:高度な診療を多数経験できる国内有数の施設。重症疾患の最前線で診療・教育を受けることができます。
手技・スキルアップ:毎朝の多職種カンファレンスでは、人工呼吸器設定、薬剤管理、栄養評価、リハビリ計画などをチームで議論。チーム医療を通じて多角的な視点と実践力を身につけます。
臨床倫理:救急・集中治療領域で問題になる臨床倫理の課題にも取り組み、患者にとって最善となる医療を目指します。

特徴

集中治療室では、チーム医療を徹底し、専任医を中心に毎朝多職種によるカンファレンスを行っています。カンファレンスでは、患者の問題点を抽出し、アセスメントと治療プランを共有・決定します。さらに、ICU専属の臨床工学技士、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、ソーシャルワーカーが参加し、呼吸器設定、薬剤管理、栄養状態、リハビリなどを総合的にプランニングします。
当科はGeneral ICUの実現を目指し、集中治療に幅広く対応していきます。各専門科の医師や短期研修希望者、非常勤希望者も歓迎しており、半年~1年程度の集中治療研修にも対応可能です。診療方針はカンファレンス後にも適宜ディスカッションし、患者の状態に応じた柔軟な対応を心がけています。

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