先天性心疾患

先天性心疾患とは

先天性心疾患=生まれつき心臓や血管の構造の一部が、正常とは違う病気のことを指します。心臓の発生は、受精後3週間で始まりますが、お母さんのおなかの中にいる間に心臓や血管の形成に異常が生じたものを指します。 およそ100人に1人(約1%)、年間1万人の赤ちゃんが先天性心疾患をもって生まれます。

発症の原因

特に原因が特定できない場合もありますが、お母さんが風疹などに感染していた場合や、糖尿病や膠原病などの病気を持っていた場合、アルコール、リチウム、サリドマイドなどの薬剤、そしてダウン症候群(21トリソミー)、13トリソミー、18トリソミーなどの染色体・遺伝子異常が原因となる場合もあります。最近では、妊婦のワクチン接種によるウイルス感染の減少により、先天性心疾患の頻度は減少傾向です。

症状

先天性心疾患は大きく「非チアノーゼ性心疾患」と「チアノーゼ性心疾患」に分類されます。チアノーゼ、つまり皮膚や粘膜が青紫色になるかならないかが見分けるポイントです。チアノーゼ性心疾患にはファロー四徴症、完全大血管転位症、三尖弁閉鎖症、肺動脈閉鎖症などがあり、幼いうちに発見されることが多い病気です(全体の30%~40%)。

対して非チアノーゼ性心疾患は見た目にはわからず、大人になってから心電図検査での異常や、精密検査の結果、先天性心疾患があったと判明することがあります。非チアノーゼ性心疾患は先天性心疾患の60~70%を占め、病名としては心房中隔欠損症心室中隔欠損症、房室中隔欠損症、動脈管開存症などがあります。

※治療方法は、太字のものについて記載しています。

検査について

非チアノーゼ性心疾患は見た目にはわからず、大人になってから心電図検査で異常を指摘され、精密検査の結果先天性心疾患が判明することがあります。心電図で異常と言われた場合、超音波検査を実施します。

治療方法

心室中隔欠損症 欠損孔の大きさにより、短絡する血液量が異なるため、重症度に差が生じます。最重症例では誕生後まもなく、欠損孔を当て布で塞ぐ早期手術(心室中隔欠損孔閉鎖術)が必要になります。
心房中隔欠損症 この二つの心房中隔の発生過程で生じた異常によって起こります。穴の位置によっていろいろな種類に分類されますが、最も多いタイプは二次孔開存型と呼ばれるもので、全体の70%を占めます。二次孔開存型の多くは、カテーテルを使用して血管(太ももの静脈)から穴をふさぐための栓(現在、2種類の閉鎖栓が国内で発売され、いずれも健康保険が適用されます)※を心臓内に運び、欠損部分をふさぐ治療が可能です。負担のかかる右心房は徐々に大きくなり(心肥大)、心臓全体を圧迫してしまう場合があります。早期発見、早期治療がその後の回復に重要です。

※当院では「心房中隔欠損症」に対して、アンプラッツァー動脈開存閉鎖システムを用いた閉鎖術(ASO)を行っています。

治療方法はこちら

動脈管開存症 低体重出生児において心不全症状がある場合、まずはプロスタグランジン合成阻害薬を投与し、動脈管が閉塞するのを促します。無効の場合や生後2週以降の赤ちゃんには手術を選択します。また、幼児期以降では、手術の他に、カテーテルを用いて閉じる方法※も選択肢としてあげられます。

※当院では動脈管開存症カテーテル治療(ADO)を行っています。

治療方法はこちら

ファロー四徴症 出生直後ファロー四徴症と診断された場合、投薬を開始し、その後、姑息手術または根治手術を実施します。姑息手術は、血流が不足する血管にシャント(人工血管を用いてバイパス手術のこと)手術をすることで、肺への血流を増加させてチアノーゼを改善させるとともに、肺動脈や心室の発育を促すことによって、その後根治手術を可能とするために行われます。根治手術は、心臓を一時停止させ、人工心肺装置を用いて心室中隔欠損の閉鎖と、肺動脈狭窄の治療を行います。

※小児に関しましては、上記疾患の全ての治療を当院で行っているとは限りません