TKUで毎週月曜のお昼に放送されている「健康リポート医療大百科」をご存じでしょうか。
健康上の気になる様々な悩みについて、熊本市医師会に所属する専門医が答える番組です。病気の最新治療や、分かりにくい医療制度についても、できるかぎり分かりやすく伝えています。

この度「未破裂脳動脈瘤に対するカテーテル治療」についての依頼があり、恥ずかしながら出演をさせていただきました。2022年12月19日の11時20分から5分間、放映されました。
健康リポート医療大百科:https://www.tku.co.jp/pgm_info/kenrepo/

私は2007年にもテレビ出演しました。当時、当院は開頭クリッピング術の治療数が4年連続で全国一位であり、その評判を聞いたフジテレビが一ヵ月間の長期ロケを行いました。フジテレビは当時の部長であった藤岡正導先生(現、済生会みすみ病院名誉院長:クリッピングの達人)を中心に取材を行いたいとの希望でしたが、「そぎゃんこつは西にまかすったい」の一言で「クリッピングの最強ドクター」として西徹先生(当時副部長、現、桜十字八代リハビリテーション病院院長)を中心に物語が作られました。今でもその短編を看護講義の最後の10分間で流すわけですが、その最後の場面、西先生が閉頭中の私と研修医に言いました。「人間の心は脳にあるんです。その心に触ることが出来るのは我々脳神経外科医だけなんです。」脳神経外科医としての責任の大きさを強く感じたことを思い出します。

あれから15年、私は開頭クリッピング術と血管内コイル塞栓術の二刀流術者と言われることもありますが、二刀流というのは大谷翔平選手のように投手としても打者としても一流だから「二刀流」であって、私はどれもまだまだ一流ではないのでせいぜい「二足の草鞋(わらじ)」か、ともすれば「二兎を追うものは一兎をも得ず」であろうと思っています。本物の「二刀流」となり、恥じずにテレビに出られるよう精進せねば。

脳神経外科副部長 兼 カテーテル・低侵襲血管内治療センター副センター長
加治 正知