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基本情報

特徴

患者さんに信頼される検査室を日々目指しています

中央検査部では、患者さんの血液・尿・体腔液・組織といった体内物やお身体の検査を行っています。痛みや苦しみを可視化・数値化することで、適切な診断や治療へとつなげる役割を担っています。正確な検査結果を迅速に提供するため、検査機器や試薬の精度管理、技師の教育に最も力を入れており、その国際認証であるISO15189も、全ての検査部門において取得しております。また、救急外来や病棟でのエコー業務、集学的がん診療センターでの採血業務などの検査室外での業務に加えて、ハートチームカンファレンスへの参画や肝疾患コーディネーター、がんゲノム医療コーディネーターとしての活動も行っています。

今後も、信頼される検査室のため、品質の改善、向上に努力してまいります。

 

ISO15189認定取得

臨床検査室の認定(ISO 15189)とは国際規格「ISO15189(臨床検査室-品質と能力に関する特定要求事項)」に基づき、「品質マネジメントシステムの要求事項」と「臨床検査室が請け負う臨床検査の種類に応じた技術能力に関する要求事項」の2つの観点から評価、認定されるものです。
検査室では2022年3月に認証を取得しています。

ISO認定証

検査室の紹介

病院棟2Fフロアに各検査室があります。

主な業務内容

検体検査室

検体とは体から排泄されたもの、あるいは採取されたもの(尿や痰、血液など)をいいます。検体検査室では検体を用いて、生化学・免疫検査、血液検査、一般検査(尿・便など)や、輸血検査を行っています。 

生化学検査

血液や尿を用いて、心臓や肝臓などに含まれる酵素(AST、ALT、LDH、γGTPなど)、尿素窒素やクレアチニンなど腎機能の検査、電解質(ナトリウム、カリウム、クロールなど)、蛋白質(総蛋白、アルブミン)、炎症を見るC反応性蛋白(CRP)などの検査データを提供しています。

免疫検査

血液や尿を用いて、腫瘍マーカー(CEA、PSA、AFPなど)、肝炎ウイルス(HBs抗原、HCV抗体など)、甲状腺ホルモン(TSH、FT4、FT3)、心疾患の評価(BNP、トロポニンIなど)の測定を行っています。

血液検査

血液を用いて、血算(白血球数、赤血球数、ヘモグロビン、血小板数など)、血液像(白血球分類、細胞形態の観察)、骨髄検査を行います。炎症や貧血、血液疾患などを調べます。

凝固検査

止血・血栓の診断や治療、お薬の効果をみるために、プロトロンビン時間(PT)やAPTTなど凝固、線溶の機能評価に関する検査を行います。

一般検査室

主に尿検査を行っています。自動分析装置を用いて測定し、必要時には臨床検査技師が顕微鏡で実際に細胞を見て確認し、結果を報告します。
尿定性検査では尿中の糖や蛋白、潜血などの有無を、尿沈渣検査では、尿中の血球や細菌、上皮細胞などの有無を調べており、これらは糖尿病や泌尿器疾患、尿路感染症などの診断に役立ちます。
その他にも、胸水・腹水などの体腔液や、脳脊髄液の検査も実施しています。腹水や胸水が貯まった原因検索や、髄膜炎などの診断を目的とした検査をおこなっています。

輸血検査

輸血検査では、安全で適正な輸血が行われるように次の業務を行っています。

  1. 輸血前検査
    • 血液型検査
      ABO式血液型、Rh式血液型を調べます。
    • 不規則抗体検査
      不規則抗体とは、ABO式血液型以外の血液型に対する抗体のことで、過去の輸血や妊娠によって産生される場合があります。輸血副反応の原因になる為、輸血前に検査を行います。
    • 交差適合試験
      血液製剤が患者さんに合うかどうかを検査します。輸血前の最終的な確認検査です。
  2. 血液製剤の管理
    血液製剤は献血由来で、血液センターより購入して常備しています。主な血液製剤の種類は、赤血球液、新鮮凍結血漿、濃厚血小板です。それぞれ適切な温度で保管し、専用の保冷庫にて24時間温度管理して安全に使用できるようにしています。

採血室

採血室では主に外来患者さんの採血を行っており、受付時間は8時から17時まで、1日平均240人の患者さんの採血に対応します。患者さんが集中する午前中には、11名のスタッフ(臨床検査技師7名、看護師2名、受付事務2名)が業務にあたります。

採血室と検体検査室が隣接しているので、採血した血液をすぐに検査できます。採血管は、患者案内票のバーコードを採血システムで照合し、患者さんごとに自動発行します。また、採血間違いが起きないよう採血直前に患者さんに名前(フルネーム)と生年月日を言っていただき、確認を行うことで安全に採血を実施しています。

以下の採血に関する注意事項を患者さんに確認します。

  1. 乳がんの手術後の方(対応:手術されてない方の腕で採血をする)
  2. 透析でシャントありの方(対応:シャントのない腕で採血をする)
  3. アルコ-ル消毒で皮膚が赤くなる方(対応:ノンアルコールで消毒)
  4. 血液サラサラのお薬(ワーファリン、バイアスピリン)をお使いの方
    (対応:止血のため、採血部位に脱脂綿をテープで止める)
  5. 採血中に気分が悪くなったことがある方
    (対応:ベッドに横になって採血を行う)

病理検査室

病理検査とは、患者さんの体から採取した組織の一部を調べて、疾患の種類や性質などを見分ける検査です。私たちの体を構成する細胞は異常をきたすと、形が変わったり、普通ではみられない種類の細胞が増えてきたりします。こうした細胞の種類や形の変化を顕微鏡で見て、診断します。

組織診断

内視鏡などで採取された組織片や手術標本から、ガラス標本を作製します。これを顕微鏡で観察し、疾患の種類や病変の広がりなどを診断します。腫瘍性病変か非腫瘍性病変か(特に炎症や循環障害)、腫瘍の良性・悪性の鑑別などがわかります。確定診断や治療方針の決定、治療効果の判定に重要な検査です。診断は、常勤の病理専門医が行っています。

細胞診

体からはがれた細胞(尿、喀痰)や採取した細胞(肺、膵臓など)を顕微鏡で観察し、疾患(主に腫瘍)の有無を検査します。診断は、細胞診専門医と細胞検査士の資格を有する臨床検査技師が行っています。

病理解剖

亡くなられた患者さんの病理解剖を行い、死因の究明や生前の臨床診断の適否、合併症の有無、治療効果などを判断し、最終的な病理診断報告書を作成します。

細菌検査室

感染症の診断や治療のため、喀痰・便・尿・血液・膿汁などのあらゆる材料をもとに感染症の原因となる細菌を見つけ、またどんな薬が効くのかを調べています。 細菌検査は最終結果が出るまでに、数日~数週間、長いものだと数ヶ月かかります。そのため、現時点で予測される原因菌などの情報提供も随時行い、迅速な診断・治療に貢献しています。また、近年問題となっている薬剤耐性菌の検出を行うことで院内感染対策にも貢献しています。
ウイルスや特殊な細菌には遺伝子検査も導入し、変化する感染症にも対応しています。

生理検査室

心電図検査、肺機能検査、脳波検査、神経伝導検査、ABI検査などを行います。
心電図検査には、12誘導心電図を始め、長時間記録をおこなうホルター心電図や植え込み型心電図検査があります。
各検査の詳細についてはリンクをご参照ください。

超音波検査室

超音波は妊娠中の方にも使用可能な無害で安全性の高い検査になります。超音波検査室では腹部や体表、心臓や血管などの様々な種類の超音波検査を行っており、超音波専門医の指導を受け多くの技師が専門資格を取得しています。また超音波検査件数は、日本でもトップクラスを誇ります。
その他、運動を行いながら心電図や超音波検査をおこなう運動負荷検査(トレッドミル検査/エルゴメーター検査)や、心臓と肺の機能を同時に評価する心肺運動負荷検査(CPX検査)も行っています。
各検査の詳細についてはリンクをご参照ください。

実績

診療実績

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研究実績

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スタッフ紹介

神尾 多喜浩

神尾 多喜浩

病理診断科部長

昭和62年卒

田上 圭二

田上 圭二

中央検査部技師長代行