― 自己紹介をお願いします
久保田圭織と申します。今年度で6年目になりました。出身は福岡で、大学から熊本に来ています。済生会熊本病院には初期研修の時からお世話になって、そのまま内科専攻医として残った形です。
初期研修の2年間を経て、3年目から5年目まで当院の内科プログラムに登録し、最初は科を決めずにローテーションしていました。2年目の後半から呼吸器内科に興味を持ち始め、それ以降は呼吸器を中心に研修を重ねてきました。
私は最初、科を決めずにローテーションしていて、少し時間をかけてからのスタートでした。そんな遅いスタートでも、柔軟にサポートしていただき、研修を始めることができました。
内科専攻医として始めた当初は、あまり専門が定まっていなくても、様々な選択肢を考える上で不自由することはありませんでした。人によってどういうふうに選択していくかは様々ですが、それぞれの道筋を考えるサポートが充実していると感じます。
― 呼吸器内科を選んだ理由は?
呼吸器内科は疾患の領域として幅広く、全身にまたがるところが魅力的でした。全身の総合的な管理も含めて、とてもやりがいのある領域だと感じて、最終的に専攻を決めました。
― なぜ当院のプログラムを選択されたのですか?
もちろん、初期研修から慣れ親しんだ環境というのもありますが、それ以上に魅力的な要素がたくさんありました。
臨床面での充実度
学習環境の良さ
― 専門研修での成長実感はいかがですか?
例えばクライオ生検など新しい手技を学ぶ際も、経験豊富な先生方がたくさんおられるので、きめ細やかに指導していただけます。自分の症例だけでなく、他の先生の症例も見ることができて、とても参考になっています。
― 当直や救急対応での不安はありませんでしたか?
基本的には夜間でも相談できるシステムが整っており、上級医の先生方の意見を聞きながら対応できます。他の診療科の先生方もおられるので、敷居が低く相談しやすい環境です。 夜間・休日でも相談しやすい体制があります。専門科として当直に入る際も、一人で判断が難しい時には適切にサポートを受けられるので、患者さんの安全を確保しながら、自分も着実に成長できていると感じています。 慣れている環境だったというのもあるかもしれませんが、新たに来られた先生方もスムーズに馴染んでおられる印象が強いので、特に不都合はないと思います。
― 日常業務でのサポート体制はいかがですか?
当院ではカンファレンスが多く開催されており、数日待たないと相談できないということはありません。カンファレンス以外でも、上級医の先生に気軽に相談することが可能です。 段階を踏んで、どんな症例でも迷った時にはすぐに相談できる環境が整っています。自分一人では妥当な判断ができない時にも、複数の先生方とすぐに相談できるので、患者さんの安全を確保しながら、判断力の向上という成長のためにも良い環境だと思います。主治医としての責任の重さを感じる場面でも、カンファレンスをうまく活用して負担を軽減しながら学習を進められます。
― 他職種との連携はいかがですか?
どうしても医学的な面に偏りがちになるところを、看護師さんやリハビリスタッフ、ソーシャルワーカーの方々から、生活背景やリハビリの観点、ご家族との関係性など、様々な視点でのご意見をいただけます。 お互いに活発に議論できる環境で、それによって自分の対応の幅も広がってきました。とても勉強になっています。
― 今後の展望を教えてください
間質性肺炎の分野に特に興味があり、当院にはその分野の症例も豊富にあります。最終的には治療に難渋する経過も多い患者さんがおられる中で、治療の質を向上させることや、緩和的な方向性についても学ぶ機会があります。 そういった様々な側面を学びながら、今後の全体的な成長を図っていきたいと考えています。
― 症例経験は十分に積めますか?
呼吸器内科として必要な症例については、当院でほぼ全て経験することができました。J-OSLERの登録に必要な症例数も、初期研修の時から集めた症例を含めて、内科専攻医の期間で十分に確保できる印象です。
実際、私は初期研修の時からこの病院で過ごしていて、J-OSLERに必要な症例については、すべて集めることができました。外部の病院にも行きましたが、それは補足的な疾患の勉強という意味合いが強く、主にここで研修したとしても、あまり不自由はしないと思います。
呼吸器内科だけでも、かなりの症例数やJ-OSLER上の経験を、他科のローテーションも含めて集めることができます。具体的には間質性肺炎の原因は多岐にわたり、様々な症例を経験できますし、他科との連携が必要な複雑な症例も多く、総合的な力が身につきます。ステロイド治療など、専門的な治療経験も積め、循環器疾患との重複など、領域を超えた症例も豊富です。
そういった連携においても、特に障壁なく相談しやすい雰囲気で、全体としてはやりやすい環境だと思います。
― ワークライフバランスと自己研鑽について
働き方改革への取り組み::
当直明けの休息時間など、強制的な(?)休憩時間も組み込まれており、安全に診療を続けることができます。身体的な負荷は多少ありますが、夜間に全く眠る時間がなくて次の日に診療をしなければならない、ということはないです。 自己研鑽の時間確保 業務が忙しすぎて勉強ができなくなる時には、上級医の先生方が配慮して業務の負担を軽減していただけます。自己研鑽の時間も十分に確保されており、診療以外のところで自由に過ごすことができます。
― これから研修を考えている先生方へのメッセージ
当院の内科プログラムは始まったばかりとはいえ、年々一人ずつ増えてきており、内科プログラムとしての経験も少しずつ充実してきました。これまでの経験を、それぞれの先生方からお伝えすることができます。
上級医の先輩方や各診療科の先生方から十分なサポートを受けられる環境です。来ていただいたら、多分悪いようにはならないと思いますので、安心して専攻していただけると思います。
呼吸器内科専門プログラムの魅力は、呼吸器内科は広い診療科であることから、他のプログラムと比較しても、この環境に慣れているという利点があります。さらに、臨床研究も充実しており、幅広い領域の症例に触れられます。基幹病院として幅広い症例が集まってくる中で、単純に診療だけでなく研究の面でも、バランスよく学べるのが特徴的だと思います。