一次脳卒中センター(PSC)
一次脳卒中センター
一次脳卒中センター(PSC:PrimaryStrokeCenter)とは、地域の医療機関や救急隊からの要請に対して、24時間365日脳卒中患者を受け入れ、急性期脳卒中診療担当医師が、患者搬入後可及的速やかに診療(rt-PA静注療法を含む)を開始できる施設を指します。日本脳卒中学会が認定要件を満たした医療機関に対して認定を行います。
一次脳卒中センターの認定要件
- 地域医療機関や救急隊からの要請に対して、24時間365日脳卒中患者を受け入れ、急性期脳卒中診療担当医師が、患者搬入後可及的速やかに診療(rt-PA静注療法を含む)を開始できる
- 頭部CTまたはMRI検査、一般血液検査と凝固学的検査、心電図検査が施行可能である
- 脳卒中ユニット(SU)を(注1)有する
- 脳卒中診療に従事する医師(専従でなくてもよい、前期研修医を除く)が24H/7D体制で勤務している
- 脳卒中専門医1名以上の常勤医がいる(注2)
- 脳神経外科的処置が必要な場合、迅速に脳神経外科医が対応できる体制がある
- 機械的血栓回収療法が実施出来ることが望ましい 実施できない場合には、血栓回収脳卒中センターや包括的脳卒中センターとの間で、機械的血栓回収療法の適応となる患者の緊急転送に関する手順書を有する
- 定期的な臨床指標取得による脳卒中医療の質(注3)をコントロールする
- 注1)脳卒中ユニット(SU)とは、「多職種からなる専属の脳卒中チームが配属され、他疾患と明確に分離された脳卒中患者専用の病棟(または病床)」と定義する 診療報酬上の脳卒中ケアユニット(SCU)は脳卒中ユニット(SU)に含まれる
- 注2)暫定期間を設け、脳卒中専門医をrt-PA講習受講後の脳神経外科専門医もしくは神経内科専門医で代行可能とする
- 注3)rt-PA静注療法施行例と機械的血栓回収療法施行例のデータ(症例数と3ヵ月後のmRS)提出
一次脳卒中センターコア施設
一次脳卒中センターに認定された施設のうち、下記要件を満たす医療機関が、地域で脳卒中の治療の中核を担う「一次脳卒中センター(PSC)コア施設」として認定されます。
当院は2019年に一次脳卒中センターに認定され、2022年10月に脳卒中治療の中心的な役割を担う「コア施設」に認定されました。2022年11月現在、熊本県における一次脳卒中センターコア施設は当院を含め、3施設のみです。
一次脳卒中センターコア施設の認定要件
- 日本脳神経血管内治療学会の脳血管内治療専門医と3学会認定の脳血栓回収療法実施医が合計して常勤3名以上であること
- 血栓回収治療実績が年間12例以上あること
- 自施設において24時間365日、血栓回収治療(※)に対応可能であること
- 脳卒中相談窓口を設置すること
- 血栓回収治療:ステントという網のような器具を血管の中で広げて、詰まった血栓を網目でからめとる方法