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救急医療

「断らない救急」をスローガンに専門医療チームが24時間迅速に対応します。持続可能な救急医療体制の構築を目指して、日々、あらゆる取り組みを実施しています。

当院の救急医療について

「救急医療」は当院の基本方針の1つにも掲げられ、「断らない救急」をスローガンに、地域のみなさまがいつも安心して暮らせるよう、救急の体制・設備の充実を進めています。
年間 17,000名の救急患者を診療し、そのうち、救急車・ドクターヘリなどによる搬送患者数は年間7,000名ほどにのぼります。熊本市、上益城、宇城医療圏からの救急隊搬送が94%を占めていますが、天草、鹿本、阿蘇、球磨、芦北といった遠隔地からの搬送も受け入れています。

特徴

2010年5月に熊本県から「救命救急センター」の認定を受け、重症患者を中心に24時間体制で受け入れており、”地域のライフライン”としての役割を担っています。救急科専門医を含めた救急専従医が必ず常駐しているほか、心臓、脳、消化器の専門医が24時間体制で対応します。”医師数”のみならず”医療の質”にも力を入れており、一刻を争う状態の診断と治療に迅速に対応できるスピードも特徴です。

体制

全国的にも珍しい「救急」と「総合診療」のチーム化

救急患者はケガや病気が多臓器に渡ることが多く、迅速な治療と同時に、多角的な視点での初期診断が必要とされます。2010年4月に救急医療のエキスパートである「救急科」と、患者を総合的に治療する「総合診療科」を一体化し、さらに各診療科の専門医までチーム化した「救急総合診療センター」を開設しました。救急患者のために、徹底的に”横のつながり”を強化したもので、リアルタイム複数の医師が診療する手厚い体制は全国的にも珍しい体制です。

チーム医療の集中治療室

救急患者などに対応する集中治療室(ICU:IntensiveCareUnite)では、一人の集中治療医がすべてを治療する一般的な「ClosedICU」ではなく、複数の専門医がチームで治療にあたる「MultidisciplinaryICU」という体制を導入しています。一人の患者さんの治療に、各診療科の医師たちの意見を反映し、横断的・多角的に治療方法を検討できることが大きなメリット。「救急総合診療センター」とともに全国的にも数少ない新しいタイプの集中治療室です。

RRSチームを組織

重篤な有害事象や院内で予期しない死亡には高い確率で前兆があります。RapidResponseSystem(RRS)とは各職種がチームを組み、院内急変を未然に防ぐことを目的とした迅速な初期対応と緊急処置を行う体制のことです。当院では2015年よりこの院内迅速対応システムを本格導入し、増加するハイリスク患者への対応を行っています。患者さんの異変にいち早く気づくことで、死亡率や緊急転送の減少に寄与しています。

院内救急救命士が在籍

救急救命士が行える救命処置はこれまで救急現場から病院受診前までに限定されていましたが、医師の働き方改革を 背景に2021年10月から改正救急救命士法が施行され、救急外来でも救急救命士としての業務が可能となりました。これを受け、当院では所定の研修を修了した第1号の「院内救急救命士」が2022年1月に誕生し、救急外来において、消防救急救命士と同様の特定行為を実施できる体制となりました。また、全国的にもいち早く院内メディカルコントロール体制を構築し、安全かつ確実に救急救命士の職能が発揮できるような検証体制を整えました。また、2022年には第2号の院内救急救命士が誕生、今後の増員も予定しており、救急外来のチームの一員として、診療、搬送、病院前活動、災害時の活動などますます活躍の場が広がっています。

DMAT(災害派遣医療チーム)の貢献

DMATとは専門的な訓練を受けた医師、看護師、業務調整員で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性を持った医療チームのことを指します。災害拠点病院に指定されている当院には現在22名の隊員がおり、2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震、2019年の九州南部豪雨水害において被災地支援を行っています。また、厚生労働省主催、熊本県主催の災害研修の講師を積極的に派遣、DMATの技能維持講習や広域医療活動訓練への参加を含め、来るべき大災害に備えて最新の知識と技術の習得に努めています。

症例検討会、研修会の開催

メディコン会

毎月1回開催される「メディコン会」は2023年3月で計270回を数えます(2021年からはコロナ禍の影響でオンラインを併用)。 熊本県内の消防職員が参加し、症例検討を通じて活発な意見交換を行って相互理解を深めています。臨床研修医や救急科専攻医にとっても病院前診療を学ぶ貴重な機会となっています。

メディカルラリー

医師・看護師・救急隊員がチームを組み、特殊メイクなどを施した模擬患者の診察と処置を行い、限られた時間内にどのくらい的確な判断と処置が実施できるかを競う「メディカルラリー」はこれまでに4回開催され、多くの医療関係者が参加をしています。 九州内外からのチャレンジャーとボランティアスタッフを迎え、「体」と「頭」を使う救急の大イベントとして開催し、人と地域を繋ぎ、救急医療の発展に役立てています。

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