低侵襲治療

カテーテル治療

当院の循環器内科では「カテーテル」と呼ばれる直径約2mm程度の細い管を、足の付け根などの血管から挿入し、心臓や血管を内側から治療する「カテーテル治療」を行っています。

カテーテル治療は冠動脈狭窄に対するPCI(経皮的冠動脈インターベンション)が有名ですが、当院では心臓弁膜症、先天性心疾患、肺血栓塞栓症など、外科手術が唯一の治療方法であった疾患に対し、カテーテルを用いた低侵襲治療(構造的心疾患に対するカテーテル治療)に積極的に取り組んでいます。

「SHI 構造的心疾患治療」ロゴ

心臓カテーテル治療(PCI:経皮的冠動脈インターベンション)においては、日帰り(外来)での治療にも対応しています。

心臓弁膜症×カテーテル治療  TAVI

「心臓弁膜症」の唯一と言える治療法は、代わりの人工の大動脈弁を植え込むという方法ですが、従来は外科の開胸手術で行うしかありませんでした。しかし当院ではそれに代わる新たな治療法として、2013年12月、南九州で初となる「経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)」治療を開始しました。2021年1月には500症例を超える患者さんへ治療を行いました。

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心房細動(不整脈)×カテーテル治療(アブレーション)

心臓の症状の中でも患者数の多い「心房細動(不整脈)」。心房細動になると、1分間の拍動数が通常の5倍以上になることも。この状態が長く続くと心臓の収縮機能に異常が発生し、心房の中の血流が停滞して血栓ができやすくなり、脳梗塞や心不全を引き起こします。

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狭心症・心筋梗塞×カテーテル治療(エキシマレーザー)

栓が冠動脈を塞ぐことで血の流れが止まり、「狭心症」や「心筋梗塞」などを引き起こします。

血栓を治療する方法は、従来は、カテーテルの先に装着したバルーンやステントを膨らませて、血管の詰まっている部分を広げる治療方法ですが、2012年以降、レーザーで血栓を蒸散させる方法(エキシマレーザー)を導入しています。

カテーテルを冠動脈へ挿入する点では同じですが、血管を広げるのではなく、カテーテルの先端からレーザーを照射し、そのエネルギーで血栓を蒸散させる治療法です。より安全性が高いといわれるこの方法は「レーザー冠動脈形成術」と呼ばれ、日本では2012年に保険適用になった治療法ですが、欧米ではすでに数万例の症例に使用され、高い成功率が報告されています。

心原性脳塞栓症(脳梗塞) ×WATCHMAN™による左心耳閉鎖療法

心房細動は、不快な自覚症状の出現や心不全の発症リスクの増加だけでなく、心原性脳塞栓症(脳梗塞)の発症リスクが5倍に上昇するとの報告があり、血栓の90%は左心耳(LAA)で形成されます。

WATCHMAN™は、開心術をする必要がなく、鼠径部の静脈からカテーテルを通して心臓に挿入され、左心耳(LAA)を閉鎖するデバイスです。

左心耳(LAA)で形成された血栓による塞栓症(脳梗塞)を予防し、長期間の抗凝固薬の服用ができない心房細動(AF)患者における治療法としてWATCHMAN™による左心耳閉鎖療法を導入しています。生命を脅かす危険性がある抗凝固療法による出血リスクを低減することできる治療です。

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カテーテル治療が困難な方に対しては外科的な治療の選択肢があります。

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