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済生会熊本タイムズ

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体は、数値で打ち明ける 健康診断の取り扱い説明書

体は、数値で打ち明ける 健康診断の取り扱い説明書

健康診断の素朴なギモン

新型コロナウイルスの感染不安から、2020年を境に健康診断の受診数が減少しています。「毎年行くのは面倒」「要精密検査でも症状がないから大丈夫」と考えていませんか。
今回は健康診断の役割や重要性について改めてお伝えします。

なぜ健康診断が必要なの?

自覚症状がなくても、病気のリスクを推測できるから。

生活習慣病をはじめとする病気のリスクが健康診断でわかります。生活習慣病とは、食事や運動、ストレス、喫煙、飲酒などの生活習慣が深く関わり、それらが発症の要因となる病気です。例えば、高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などで、これらが悪化すると脳疾患、心疾患などの後遺症で日常生活に支障が出る病気に繋がってしまいます。

生活習慣病の進行を知る手がかりのひとつが「動脈硬化」です。動脈硬化とは動脈の血管が硬くなって、弾力性が失われた状態のこと。動脈硬化の危険因子としては、加齢・遺伝・体質などの自分ではコントロールしにくいものもありますが、一方で、内臓脂肪型肥満、過食、運動不足、過剰飲酒、喫煙、ストレスなど、日常生活でコントロールできるものもあります。

体内で唯一!肉眼で観察できる動脈(眼底)の血管

眼底検査は、眼の状態や病気を調べているだけではありません。実は、体内で唯一、肉眼で観察できる動脈が眼球の奥にあります。この動脈を観察することで、動脈硬化の有無や程度が分かります。

肥満度がひと目でわかる BMI早見表

BMI早見表

ふつうの範囲内でも、こんな場合は要注意です。

  • この半年~1年で、2~3kg以上の体重増減があった。
  • 運動不足が続いている。
  • 腹囲が男性は85cm以上、女性は90cm以上。
  • 血圧・血糖・脂質データが高め。

出典:はかるとわかる健康体重のススメ、東京法規出版、日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン」

なぜ健康診断に毎年行く必要があるの?

昨年の数値と比較でき、体の経年変化がわかるから。

みなさんは健診結果で、どのような項目に注目して見ていますか?体重、体脂肪率、腹囲、血圧や血液検査などの動脈硬化の指標も健診結果に含まれます。データから病気の危険性をはかることで、その進行を未然に防ぐこともできます。健康診断は、病気の早期発見・早期治療や、生活習慣を見直すきっかけになるのです。

最新の結果を過去データと比べることで、自身の経年変化に気づくことができます。基準値内の数値でも、体重や血圧などの増減をチェックし、生活習慣を振り返ってみましょう。また年齢を重ねるごとに、がんを発症する割合が高くなります。そのため、定期的にがん検診を受診し、早期発見に繋げてほしいです。一般的にがんは早期発見であるほど治癒率が高く、再発や転移などのリスクも軽減できます。

がんなども健康診断でわかるの?

がんそのものを見つけるというより、可能性を探るのが健康診断の役割です。

一般的な健康診断でわかるのは、生活習慣病をはじめとする体の基本的な機能や状態についてです。それでも健康診断の受診は、がんを未然に防ぐことや、がんの早期発見にも役立ちます。なぜなら、さまざまながんはあれど、その発生要因はどれも生活習慣と密接に関連しているからです。健康診断の結果、生活習慣病のリスクが高かった場合、日々の行動や習慣を見直し改善することが、がんを防ぐことにもつながります。さらに健康診断で直接的に初期がんを見つけることは難しくても、血液や尿、便検査のデータから胃がんや大腸がんの疑いがわかることもあります。このように、健康状態を知ることで、病気が深刻化するのを防ぐことが健康診断の主な目的です。がんなどの病気について詳しく調べたいときは、人間ドックやがんドックなど、より専門的な検診を受けましょう。済生会熊本病院では、全身のがんを一度にチェックでき、苦痛なく検査できるPET/CT検査も行っています。気になっている部分や自身の年齢、家族歴に合わせて、検討してみてください。

さまざまながんの発生要因

さまざまながんの発生要因

検診間隔の違いで見つかるステージの比較

済生会熊本病院予防医療センターの内視鏡検査データ(過去10年)から

 

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済生会熊本病院予防医療センターでは、年間34,000人以上の健康診断を行っています。 次回は、当院予防医療センターの医師と保健師の二人に話を聞きました。

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