快適さと精度を両立:皮膚マーキングを大幅に減らした乳がん治療
患者さんの生活の質(QOL)向上に期待!
快適さと精度を両立:皮膚マーキングを大幅に減らした乳がん治療
放射線治療では毎回同じ体勢を再現できることが、治療の精度を保つために大切です。
これまで乳がんの放射線治療では、患者さんの皮膚に多くのマークを描き、治療の位置合わせを行っていました。 これらのマークは治療期間中5週間程度消えないように維持する必要があります。
当院で実施したアンケートでは、多くの患者さんが「マークが消えないように気を遣った」と生活上のストレスを抱えていることが分かりました。
最近は、体表面画像誘導放射線治療(SGRT:surface guided radiotherapy)という技術の普及が進んでおり、当院でもCatalystというシステムを導入しています。
SGRTとは?
- SGRTは、体の表面に投影された光をカメラで解析し、リアルタイムで体の位置を確認する技術です。
- 放射線を使わないので、追加の被ばくがありません。
Catalystシステムの特徴
- CatalystはSGRT技術を使ったシステムで、患者さんの体の位置を正確に把握します。
- これにより、皮膚にマークをつけなくても治療の位置合わせが可能になります。
当院では十分な検証を重ね、この新しい技術を導入し、マークを大幅に減らした(マーカーレス)治療を始めました。
主なポイント
- 従来の方法:十字マークを6ヶ所と放射線が当たる範囲など、多くのマークを描く必要がありました。
- 新しい方法:Catalystシステムを使用することで、十字マークは身体の真ん中と左右の3点のみで他は省略可能となりました
- 対象は乳房と腋窩リンパ節領域に限ります。鎖骨窩リンパ節などその他のリンパ節を含む照射の場合は、マーカーレス治療の対象外です。
- 照射方法によってはマークを描かせていただく場合があります。
今後も、当院は治療の精度と患者さんのQOLのどちらも両立できるよう最大限に取り組んでいきます。
当院はDIBH(深吸気息止め照射)や寡分割照射 といった最新の乳がん放射線治療も積極的に行っております。ぜひお気軽にご相談ください。
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