サイト内検索

済生会熊本タイムズ

地域に最先端の医療をいち早く提供する当院の取組みや様々な情報をご紹介します。

済生会熊本タイムズ
済生会熊本タイムズ

緩和照射における医療機関連携

緩和的放射線治療(緩和照射)とは

緩和照射は、がんの進行や転移に伴う痛みや出血などの症状を和らげるための放射線治療です。

例えば、骨にがんが転移すると痛みを伴うことがありますが、緩和照射によって症状を軽減できる可能性があります。
また、リンパ節転移やがんの原発巣、再発腫瘍などさまざまな種類の痛みにも有効性が認められています。

緩和照射の主な目的は、日常生活の動作改善やQOL(生活の質)の向上にあります。
当院では、近隣の医療機関と連携し、患者さんの症状に応じた緩和照射を速やかに提供できるよう努めています。

このような症状に対して有効な場合があります

  • 骨転移やその他の腫瘍による痛み
  • 胃がんによる消化管出血
  • 膀胱がんによる血尿
  • 乳がんによる出血、浸出液やにおい
  • 多発肝転移による腹部の痛みや圧迫感
  • 肺がんによる血痰、咳、息苦しさ など
肝臓多発転移に対する全肝照射
肝臓多発転移に対する全肝照射
Yeo SG, Kim DY, Kim TH, et al. Radiat Oncol. 2010;5:97.
乳癌皮膚浸潤に対する緩和照射
乳がん皮膚浸潤に対する緩和照射
Thomas NS, Joyce C, Lauro C. Current Problems in Cancer: Case Reports. 2022;7:100182

多くの緩和照射を「単回照射」で実施しています

これまで骨転移に対する緩和照射は1回3Gy(グレイ)を10日間かけて照射する「分割照射」が広く行われてきました。しかし、通院の負担が大きく、治療を受けることが難しい患者さんもいらっしゃいました。

そこで当院では、8Gyを1回限り照射する「単回照射」を導入し、患者さんの負担軽減に努めています。この方法は、従来の分割照射と同等の効果を持ちながら通院回数を大幅に削減します。骨転移以外の症状に対しても有効であることが明らかになりつつあります。

1日で完結するスケジュールが可能であるため、これまで通院が困難で治療をあきらめていた患者さんにも選択肢としてご提案しています。

従来の照射法と単回照射
1日のスケジュール例

※病変の状態によっては単回照射よりも分割照射が有効な場合もあるため、患者さんに応じて最適な方法をご提案させていただきます

緩和照射が適しているかどうかは、患者さんごとに異なります
ご希望の方は、まずはかかりつけ医へご相談ください

当院では患者さん一人ひとりに寄り添い、多くの方に前向きな選択肢を提案できる診療を目指しています。がんによる症状には緩和照射が有効な場合があります。放射線治療設備の無い施設に入院中や、ご自宅で療養中の方でも、当院で緩和照射を受けることは可能です。

緩和照射が受けられるか気になる方は、まずはかかりつけ医へご相談ください。

かかりつけ医の先生方へ

緩和照射の適応や紹介に関してご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。当院の放射線治療専門医が直接お電話で対応いたします。
096-351-8372 (地域医療連携室につながります)

ご相談の際、画像などの検査データが揃っていなくても差し支えありません。
また、患者さんが別の医療機関に入院中の場合でも、入院を継続したまま当院で放射線治療を受けていただけます。

総合腫瘍科医長 齋藤 哲雄

本件に関するお問い合わせはこちら

患者さん

がん相談支援センター

096-241-0275

平日/8:30〜17:00 ※土曜日曜、祝日、年末年始を除く

診療に関するお問い合わせフォームはこちら

医療機関から

地域医療連携室

096-351-8372

FAX:096-351-8505

平日/8:30〜17:00 ※土曜日曜、祝日、年末年始を除く

患者さんの紹介方法はこちら

あわせて読みたい

新着情報