心臓植込み型デバイスにおける遠隔モニタリングシステム―植え込み後の生活の安心を支えます―
当院では徐脈性、頻脈性不整脈の患者さんにペースメーカや植え込み型除細動器、両心室ペーシング機能付き植え込み型除細動器等の植え込み型デバイスの手術を年間で約250件行っています。
そのなかで、近年遠隔モニタリングシステムを導入する患者さんが増加しています。遠隔モニタリングシステムとは、患者さん宅に、専用の中継機器を設置して頂くことで、自宅から植え込み型デバイスの情報を専用のサーバーへ送信し、医療機関から情報を閲覧できるシステムです。
遠隔モニタリングシステムとは?
ペースメーカーやICD、CRTDといった植込み型デバイスを使用している患者さんのご自宅に、専用の中継機器を設置して頂くことで、自宅から植え込み型デバイスの情報を専用のサーバーへ送信し、医療機関から情報を閲覧できるシステムです。そのため、患者さんはデータを送信すれば、病院を受診すること無く、自宅にいながら医療機関へ植え込み型デバイスの情報を提供することが可能となります。
また、アラート送信機能も兼ね備えており、植え込み型デバイスに不具合や故障が発生した場合には、医療機関へ自動的にデータを送信しますので、異常等を病院側で早期発見することが可能になります。
この遠隔モニタリングシステムは2008年より日本に導入されており、当院では日本での使用が認められている4社全ての機種に対応し、2015年の時点で791名の患者さん(植え込みデバイスの患者さんの約半数)にご利用頂いております。
遠隔モニタリングシステムの利点
- 遠隔モニタリングデバイスメンテナンス遠隔モニタリングシステムを使用することで下記の利点が期待できます
- 植え込みデバイス外来待ち時間が短くなります
- 植え込みデバイス外来の受診間隔を延長することができます
- 遠方にお住まい、施設入所中など来院が困難な患者さんへの対応が可能となります
- 緊急アラート送信により異常の早期発見につながります
- 病状悪化の早期発見につながります
- 遠隔モニタリングシステムによる地域施設との連携
遠隔モニタリングシステム利用における注意点
遠隔モニタリングシステムには、緊急・急変を想定したシステムではありません。症状悪化があった場合、必ずかかりつけ、もしくは当院への受診を検討して下さい。
また、遠隔モニタリングシステムにより先進的な管理を行っているため、植え込み型デバイスの外来受診間隔が4ヶ月以上の場合、お支払い頂く金額が570円多くなりますので、予めご了承下さい。
FAQ~よくあるご質問~
Q : 個人情報が漏洩する危険はありませんか?
A : 高度なセキュリティーを要した専用のサーバーに保存している為、ハッキング等による漏洩の可能性はほとんどありません。また、データを閲覧できるスタッフも限られており、それぞれがパスワードを設定して厳重に管理しております。
Q : 遠隔モニタリングを導入することでデメリットはありますか?
A : 基本的にはありませんが、注意点でも述べたとおり、外来受診間隔が4ヶ月以上であった場合、お支払い頂く金額が570円高くなります。また、中継器の電源を常時ONにしますので、月額数円程度の電気代が発生いたします。
Q : データ送信の機器操作に自信がないのですが
A : 複雑な手続きや機器操作は必要なく、遠隔モニタリング導入時の機器操作についてはスタッフより説明いたします。また中継器の設置、実際の送信時に不安であれば当院代表電話番号に連絡し「ペースメーカーの担当者」をお呼び下さい。専門のスタッフが対応いたしますので安心してご利用できます。
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