核医学治療(RI内用療法)

核医学治療(RI内用療法)とは
核医学治療(RI内用療法)は、放射性同位元素(RI)を含む医薬品を体内に投与し、内部から放射線を照射する治療法です。
当院では、2025年度よりソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍に対するペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)を開始しました。熊本県内でPRRTを受けることができるのは当院を含む2施設です。
PRRT(ペプチド受容体放射性核種療法)について
PRRT(ペプチド受容体放射性核種療法)とは
PRRTは、ソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍に対して行うRI内用療法です。ルタテラ(一般名:ルテチウムオキソドトレオチド)という放射性医薬品を点滴によって体内に投与し、体内に取り込まれた放射性物質ががん細胞を攻撃します。ルタテラが出す放射線は主にβ線ですが、少量のγ線も出します。β線が届く範囲は約2ミリメートルと短く、周辺の正常組織へのダメージを抑えながらがん細胞を効率的に攻撃します。
対象疾患
膵臓、消化管、肺などに発生するソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍
ルタテラによる治療の流れ
- 1.オクトレオスキャン検査
- ルタテラによる治療の対象となるのはソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍の患者さんです。オクトレオスキャン検査によって腫瘍がソマトスタチン受容体陽性であることを確認します。
- 2.ルタテラの投与
- ルタテラの投与は、およそ8週間隔で最大4回行います。投与の際は、周囲の人の被ばくを避けるため、特別な個室へ入院します。投与後は、体から放出される放射線量が下がるまで病室内に滞在する必要があります。投与された放射性物質の大部分は主に尿として体外に排出されるため、多くの患者さんは投与日の翌日に退院可能です。1回の投与につき、入院期間は2泊3日ほどです。
ルタテラ投与全体のスケジュール
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