【患者さんからのご要望にお応えして】2026年8月4日放送「英太郎のかたらんね」放送内容のご紹介
2026年8月4日に放送されたTKU(テレビ熊本)「英太郎のかたらんね」において、当院救急科の前原医師、消化器内科の庄野医師、感染管理室の村中医師、柴尾副看護師長(DMAT看護師)が出演し、災害時に気を付けたい体調管理やメンタルケアなどについてお話ししました。
放送をご覧になった患者さんから、
「お話しされていた内容が、前向きで分かりやすく、高齢の家族にもよく伝わりました。もう一度内容を確認したいので、病院ホームページでも見ることができるようにしてほしいです。」
との嬉しいお言葉とご要望をいただきました。
こうしたお声を受け、院内で検討した結果、このたび放送内容をあらためてご紹介させていただきます。
なお、著作権の関係上、放送映像を当院ホームページに掲載することができませんので、放送内容を文字起こししたうえで掲載いたします。
放送では、地震後に起こりやすい体調不良への注意点や健康管理のポイント、ストレスとの向き合い方など、災害時に役立つ情報について分かりやすく紹介されています。皆さまの健康管理の一助となれば幸いです。ぜひご覧ください。
TKU「英太郎のかたらんね」放送内容(2026年8月4日放送)
※以下、文字起こし本文を掲載します。
地震後に気をつけなければならない体調管理やメンタルケアについて、済生会熊本病院で取材しました。まずは、車中泊を余儀なくされている方が、この時期に注意しなければならないエコノミークラス症候群について、その原因を伺いました。
前原先生:
一つは熱中症や脱水です。脱水によって血液の粘度が高くなり、粘り気が増して血栓ができやすくなります。
もう一つは打撲です。血管自体が軽度の損傷を受けることで、血栓ができやすい状態を作ってしまいます。
さらに、あまり体を動かさず安静にしていることで血流が滞り、血栓ができやすくなります。
また、『今日一日で片付けよう』と無理をして作業に集中すると、なかなか止まれなくなります。そうした無理も、熱中症やエコノミークラス症候群と深く関係していると思いますので、できるだけ自制していただくことが大切です。周囲の方も注意して見守っていただければと思います。

続いて、地震後のけがや体調不良があった場合の対応について、看護師の柴尾さんに伺いました。
柴尾看護師:
災害支援ナースという制度があり、災害発生後には各病院や避難所へ順次派遣される予定となっています。『このくらいのことで相談してはいけないかな』と思われる方もいるかもしれませんが、早めに相談していただければ、症状が軽いうちに対応でき、重症化を防ぐことにもつながります。
避難生活では避けることのできないストレスとの向き合い方についてもお話を伺いました。
柴尾看護師:
精神科チームで構成された災害医療チームがあります。夜なかなか眠れない、ストレスによって動悸がするといった症状がある場合は、ぜひ相談してください。支援チームは避難所や病院などへ派遣されますので、少しでも安心して生活していただけるのではないかと思います。

また、精神的なストレスへの対策も重要になってきます。
済生会熊本病院の消化器内科の医師によりますと、震災後1週間から10日前後に起こりやすいのが、胃や十二指腸の粘膜が胃酸や消化液によって傷つく「消化性潰瘍」、さらにそこから出血する「出血性潰瘍」です。
症状としては、みぞおちの痛み、吐血、食欲不振、黒色便などがあります。一般的な原因はピロリ菌の感染や鎮痛薬の服用ですが、実際に10年前の熊本地震後には、ストレスが原因と考えられる患者の増加が見られたということです。
対策としては、まず震災後1週間前後にこうした病気を発症するリスクがあることを知っておくことです。特に避難所生活で強いストレスを感じている方は、これらの症状を見逃さないよう注意してください。
また、ストレスに加え、鎮痛薬や痛み止めの服用によって消化性潰瘍が起こることがあります。そのため、市販薬でも購入できる胃酸の分泌を抑える胃薬の服用が推奨されています。

記者会見の様子(2026年7月31日)