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済生会熊本タイムズ

地域に最先端の医療をいち早く提供する当院の取組みや様々な情報をご紹介します。

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心臓に優しい乳がん放射線治療をより多くの方へ~深吸気息止め放射線治療(DIBH)の適応を拡大~

乳がんの深吸気息止め放射線治療(DIBH)とは

DIBH(Deep Inspiration Breath Hold)とは、日本語で「深吸気息止め」といい、息を大きく吸って止めたまま放射線を照射する方法です。
通常の呼吸状態で左乳がんに放射線治療を行うと、左乳房の近くに位置する心臓にも放射線が当たってしまうことがあります。心臓に当たる放射線はごくわずかですが、治療後数年から20年間は心疾患の発症リスクが増加するという研究報告があるため、心臓への被ばくはできるだけ少なくすることが大切です。

当院では心臓を不要な被ばくから守るために、2019年から左乳がんに対するDIBHを導入しています。 深く息を吸って止めている間に放射線を当てることで、乳房と心臓の距離を離し、心臓への被ばく低減が可能となる照射法です。放射線治療を行う約1カ月間、毎回の治療で同じように息止めをしていただくことが必要なため、治療を受けられる患者さんのご協力が必要不可欠です。

DIBHについては、説明動画を公開しています。治療方法について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

済生会熊本病院の乳がん放射線治療 DIBH(深呼気息止め照射)について

深吸気息止め放射線治療(DIBH)の適応を拡大

DIBHでは、息止めによる患者さんへの負担を考慮し、これまで対象に年齢制限を設けていました。しかしこの度、その制限をなくし、DIBHを希望される患者さんは年齢に関わらず原則DIBHを受けていただくことができるようになりました。

また、DIBHは寡(か:少ないことの意)分割照射と併用することもできます。寡分割照射とは1日の治療線量を増やし、治療日数を減らす照射法です。DIBHと寡分割照射を組み合わせることで、心臓に負担の少ない治療を、従来よりも短い治療期間で行うことが可能となります。

患者さんの負担を少しでも減らし、安心して治療を受けていただけるよう改善を重ねながら取り組んでいます。乳がんの診療について疑問などお持ちの方は、お気軽にご相談ください。

  • 息止めの練習は治療前に十分に行いますので、ご安心ください。
  • 息止めが難しいと判断した場合、または医師の判断により、息止めを行わない通常照射となる場合があります。通常照射であっても寡分割照射との併用は可能です。

寡分割照射についての詳細を見る

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