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2017.06.10 市民公開講座REPORT「不整脈治療で寝たきりを予防しよう」

6月10日(土)、「不整脈治療で寝たきりを予防しよう」と題し、市民公開講座を開催しました。 当日は400名以上のご来場があり、当院循環器内科医師の奥村先生、古山先生より不整脈から脳梗塞が発症することを予防する最新のカテーテル治療など、「不整脈と寝たきり(脳梗塞)」をテーマに講演をおこないました。

市民公開講座「不整脈治療で寝たきりを予防しよう

最新の「カテーテル治療」で不整脈から脳梗塞が発症することを予防

6月10日(土)、「不整脈治療で寝たきりを予防しよう」と題し、市民公開講座を開催しました。 当日は400名以上のご来場があり、当院循環器内科医師の奥村先生、古山先生より不整脈の種類から不整脈から脳梗塞が発症することを予防する最新のカテーテル治療など、「不整脈と寝たきり(脳梗塞)」をテーマに講演しました。

寝たきりの原因となる脳梗塞は、脳の血管が詰まり、脳に酸素や栄養が送られなくなり脳細胞が損傷し、多くの患者さんが社会復帰の難しい状態となる場合があります。
そのなかでも重症化しやすい「心原性脳塞栓症」。 最近のデータでは、一度発症すると社会復帰できるのはわずか3割と、半数以上が生活に支障を来す後遺症が残ってしまう病気です。

その心原性脳塞栓症の原因で最も多いのは心房細動(不整脈の一種)であることから、 「心房細動の早期発見」が寝たきりを防ぐ重要なポイントと話がありました。

重症化しやすい種類の脳梗塞の原因の1位に「心房細動」

まず不整脈は大きく3つの種類に分かれます。①期外収縮、②頻脈、③徐脈があり、それぞれ治療法が異なります。
比較的軽症の①は、症状が強い場合のみカテーテル手術を行います。

②はカテーテル手術か、除細動器の植え込み、③はペースメーカーの植え込みとなります。②の頻脈の中には突然死を招く「心室細動」に至る場合もあります。 不整脈には必ず治療が必要なものから、積極的な治療が不要なものもあると紹介されました。

今回のテーマとなっている、寝たきりの原因にもなる危険な不整脈とは、頻脈の中でも「心房細動」と呼ばれるものです。
心房で異常な電気がつくられ、心房は1分間に500回くらい、心室は100回前後拍動します。 (正常な心臓なら1分間に60回、1日に約10万回)その結果、心房の収縮力が弱まり血液がよどんでしまい、血のかたまり(血栓)ができやすくなります。この血栓が脳に運ばれると脳梗塞を引き起こします。

不整脈(心房細動)の早期発見方法について

心房細動は自覚症状が出にくいため、早期発見には自分で毎日脈をとることが一番簡単なやり方です。
会場でも脈のとり方を実演し、参加者の皆さんからは「早速今日から習慣にします」といった声もありました。
日頃から自身で脈をとり、脈がとんだり乱れたり、早くてとりづらい場合は不整脈が疑われますので、 異変を感じた場合にはかかりつけ医や内科を受診しましょう。

かかりつけの病院などで不整脈と診断されたり、手術などが必要と判断された場合は専門の医療機関を紹介されます。
かかりつけ医と紹介先の病院との間で、紹介状や検査情報のやりとりがなされ、患者さんに最善の治療が選択されます。
当院の場合、手術・退院後の服薬管理等は紹介元のかかりつけ医に行って頂く場合が多く、地域内での医療間連携・機能分化の必要性についても話がありました。

パネルディスカッション ― 元患者さんを交えて―

後半のパネルディスカッションでは同院で1年前にでアブレーション治療(カテーテル治療)をされ、現在再発もなく元気に過ごされる元患者さんを迎え、心房細動の早期発見の重要性についてお話頂きました。

講演終了後には、AEDの操作説明会や心電図の展示などを行い、皆さん積極的にご参加頂きました。

今回の講座内容は6/22(木)のリビング新聞、7/29(土)放送のKKTDrテレビたん等で紹介される予定です。

循環器内科(心臓血管センター)

奥村 謙
古山 准二郎

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