患者さんに合わせて 呼吸器のカスタムチーム結成!?― 済生会熊本病院呼吸器センター、その実像 ( 後編 ) ―
九州でもハイボリュームな肺がん症例数を誇る当院の呼吸器センターは、複数の専門スタッフと最新機器を備え、すべての患者さんをチームで診ます。がんはその進行具合により、ステージ1〜4と診断されますが、当院ではどのステージの患者さんに対しても適応できるよう様々な治療法を用意しています。呼吸器センターの治療体制について、後編ではそれらの治療を担うスタッフについて吉岡部長にうかがいました。
(この記事の前編:チームで診る。 ひとり残さず診る。― 済生会熊本病院呼吸器センター、その実像 (前編)―)
患者さんに合わせて 呼吸器のカスタムチーム結成!?
一人の患者さんに病気が1つなら治療もシンプルかもしれません。しかし肺は、心臓や食道と隣り合う臓器なので治療の際に影響を与え合うことも少なくありません。
また高齢の患者さんは肺疾患以外の合併症を持っている場合も多いので、必要に応じて循環器内科、神経内科、心臓血管外科、放射線科、麻酔科と協力して治療を進めます。
さらに患者さんに優しく寄り添う看護師や理学療法士、言語聴覚士も呼吸器治療の専門知識や資格を持つ、経験豊かなスタッフばかり。
呼吸器のことを知り尽くしたスタッフが一丸となってセンターを訪れた患者さん一人ひとりのことを考えた治療を目指しています。
呼吸器を知り尽くしたスタッフに囲まれて
もちろん、呼吸器センターが治療にあたるのは肺がんだけでなく、呼吸器に関するすべての病気です。
内視鏡を使う胸腔鏡手術をはじめ、びまん性肺疾患や間質性肺炎治療においてもトップランナーといえる医師たち。
医師以外の看護師や作業療法士、理学療法士、言語聴覚士もワンランク上の認定資格(※1)を持っています。
術前の呼吸訓練や禁煙外来、術後の飲み込みや話す訓練などのリハビリテーションも、患者さんの立場に立ち、丁寧にケアしています。
各分野のプロフェッショナルが常にバックアップ
県内3カ所目の救命救急センターとして24時間体制で患者さんを受け入れる当院には、各分野のプロフェッショナルが常に控えているので、万が一トラブルが起きても迅速に対応できます。
ひとりの患者さんに複数の症状や疾病がある場合、たとえば、不整脈があるなら循環器内科、ろれつが回らない場合は神経内科など、必要に応じて専門医が駆けつけます。
心疾患を持つ重篤な患者さんの場合は、心臓血管外科医と協力しながらオペを進めることもあります。
不安を抱えて病院の門をくぐる患者さんに、当院ならではの安心感の中で治療に専念していただけるように環境を整えています。
※1:認定資格
呼吸器センターの医師は全員が外科もしくは内科専門医資格を持っていますが、外科医全員が呼吸器外科専門医、内科医の半数以上が呼吸器認定医といったさらに専門的な資格を持ち、看護師やリハビリスタッフも、がん疼痛管理の深い知識や呼吸療法士の資格を有する者が控えています。