三尖弁逆流症に対する新しいカテーテル治療「TriClip治療」を開始!
脚の付け根にある静脈からカテーテルを挿入し、三尖弁の弁尖(弁のひだ)を専用のクリップで留めることで、血液の逆流を物理的に減少させます。
胸を大きく切開することなく行えるため、身体への負担が少なく、これまで手術が難しかった患者さんにも新たな選択肢となります。
三尖弁逆流症(TR)と治療の流れ
三尖弁逆流症(TR)とは?
心臓の右側にある「三尖弁」が適切に閉じず、血流が逆流してしまう病気です。
これまで三尖弁は、左心系の疾患に隠れて注目されにくい部位でしたが、重症化すると心不全や肝・腎機能障害を招き、予後を悪化させることがわかっています。
治療の流れ
三尖弁逆流症に対する国内初(2026.5時点)の低侵襲カテーテル治療デバイス「TriClip(トライクリップ)」を用いた治療を行います。
この治療では、脚の付け根にある静脈からカテーテルを挿入し、三尖弁の弁尖(弁のひだ)を専用のクリップで留めることで、血流の逆流を物理的に減少させます。

「多職種ハートチーム」が患者さんひとり一人をサポートします
当院のECMO実績は、2021年に39件、2022年に29件、2023年に37件で、これは日本でも有数の留置件数です。ECMOは高度な技術と専門的な人材、そして優れたチームワークが求められる治療法です。F1のピット作業のように、医師、看護師、臨床工学技士など、すべての職種が密接に連携する体制が不可欠であり、限られた病院でのみ実施が可能です。
先ほど「早期ECMO」と述べましたが、だからといって救急搬送されてきたすべての患者さんに使用するわけではありません。その最大の理由は、ECMOが決して低侵襲※な治療ではないからです。血液を体外に脱血するために、太いカテーテルを血管に挿入する必要があり、出血や感染、塞栓症といった重大な合併症リスクもあります。体への負担が大きい、〝諸刃の剣〟といえる治療法です。そのため、心肺蘇生だけで回復が可能ならそれが望ましく、適応や導入タイミングは慎重に検討する必要があります。
- 低侵襲…患者さんの体への負担(=侵襲)を、従来より低くした治療のこと。
よくあるご質問
救急搬送されてくる患者さんの中で、ECMOによって救命できる可能性が高い方を確実に対応できる体制を維持したいという思いがあります。先述の通り、当院はECMOの実績が豊富であり、その経験を積める貴重な環境ですが、同時にマンパワーの確保も重要です。ECMOや重症患者の管理に関心のある医師やメディカルスタッフの方々と、当院で共に働き、成長していけることを期待しています。
治療にはどのようなリスク・副作用がありますか?
TriClip治療は、胸を大きく切り開かない低侵襲な治療ですが、心臓内でクリップを操作するため、デバイスが弁からはずれたり弁の組織を傷つけたりするリスクのほか、手技中や術後に不整脈、血圧低下、穿刺部の出血や感染、あるいは既に挿入されているペースメーカーリードとの干渉が起こる可能性がありますが、当院では多職種専門チーム「Team T-TEER」が最新の3Dエコー等を用いて精密な操作を行い、術前後の厳重な管理を含めたクリニカルパスに沿って安全性を最優先した体制で治療に臨んでいます。
治療にはどのくらいの時間がかかりますか?
手技自体の時間は症例によりますが、数時間程度です。全身麻酔下で行い、術直後から一般病棟で経過を観察します。
入院期間はどのくらいですか?
標準的なケースでは、手術の数日前に入院し、術後は1週間程度での退院を目指します。当院では専用の「クリニカルパス(治療計画表)」に沿って、早期の歩行開始やリハビリテーションを進めていきます。※患者さんの病態によって延長します
高齢ですが治療を受けられますか?
はい、可能です。TriClipは胸を切り開かない低侵襲な治療であるため、これまで体力的・年齢的に外科手術が難しいとされていたご高齢の方や、持病をお持ちの方にとって非常に有効な選択肢となります。
すでにペースメーカーが入っていますが、治療は可能ですか?
ペースメーカーのリード(線)が三尖弁を通過している場合でも、治療ができる可能性があります。事前にCT検査やエコー検査でリードと弁の位置関係を詳しく評価し、安全に治療が行えるか判断いたします。
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