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済生会熊本タイムズ

地域に最先端の医療をいち早く提供する当院の取組みや様々な情報をご紹介します。

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心不全でお悩みの方へ|済生会熊本病院の取り組み

心不全は、心臓の働きが低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなる状態です。近年は高齢化の進行とともに患者数が増えており、「心不全パンデミック」とも呼ばれるなど、社会的な課題の一つとして認識されています。

心不全になると、「少し動いただけで息切れがする」「足のむくみが気になる」「以前より疲れやすくなった」といった変化がみられることがあります。ただし、これらの症状は他の疾患でもみられるため、気になる場合は早めに医療機関へ相談することが大切です。
心不全の治療は、薬物療法に加え、食事や運動などの生活習慣の見直し、定期的な通院を組み合わせて行うのが一般的です。そのため、患者さんの状態に応じて継続的に管理していくことが重要とされています。

熊本においても、心不全に対応する医療体制の整備が進められており、地域の医療機関でさまざまな取り組みが行われています。済生会熊本病院でも、複数の専門職が連携しながら診療を行うとともに、再発予防と継続的な管理を目的とした「心不全メンテナンス外来」を設置し、患者さん一人ひとりに合わせた支援体制を整えています。

心不全とはどんな状態?

心不全とは、心臓の働きが低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなる状態です。特定の病名ではなく、さまざまな心臓の病気が原因となって起こります。
心臓は血液を全身に送る重要な役割を担っていますが、その機能が低下すると、体に必要な酸素や栄養が十分に行き届かなくなります。その結果、日常生活の中で息苦しさやむくみなどの症状が現れることがあります。

よく見られる症状

・少し動いただけで息が切れる
・足や顔がむくむ
・体がだるい
・夜になると呼吸が苦しくなる 等

心不全パンデミックとは|日本で、熊本で増えている心不全の現状

近年、日本では高齢化の進行に伴い、心不全の患者さんが増えているといわれています。このような背景から、「心不全パンデミック」という言葉が使われることがあります。
この言葉は、感染症のように急激に広がるものではなく、心不全患者が社会全体で増加している状況を表したものです。
心不全は一度発症すると長期的な管理が必要になることが多く、早い段階で体調の変化に気づき、適切に対応することが重要とされています。また、医療機関での治療だけでなく、日々の体調管理や生活習慣の見直しも重要であり、継続的な取り組みが求められます。

図2:我が国における新規発症心不全の推移
引用:日本心臓財団ホームページより

 

心不全の予防について

心不全は、原因となる病気の管理や生活習慣の見直しによって、発症や悪化を防ぐことが期待される場合があります。
日常生活では次のような点が参考になります。

・血圧や血糖値をコントロールする
・塩分をとりすぎないようにする
・適度な運動を続ける
・禁煙や節酒を心がける
・定期的に健康状態を確認する

また、すでに心不全と診断されている方にとっても、再発や悪化を防ぐための生活管理が重要とされています。
こうした取り組みはご自身だけで判断するのではなく、医療スタッフと相談しながら無理のない範囲で行うことが大切です。

心不全の早期発見・早期治療のために

心不全は、症状があらわれてから治療を始めるだけでなく、症状が出る前の段階で気づき、対応することが重要とされています。近年では、心不全の発症を防ぐための考え方が重視されるようになってきています。

心不全は段階的に進む状態

心不全は、突然起こるものではなく、次のように段階を経て進むと考えられています。

ステージA:高血圧や糖尿病などのリスクはあるが症状はない
ステージB:心臓の異常はあるが症状はない(前心不全)
ステージC:息切れやむくみなどの症状がある
ステージD:治療が難しい状態

特に、症状が出ていないステージA・Bの段階で適切に対応することが、心不全の発症や進行を抑えるうえで重要と考えられています。

引用:saikuru-vol113

早期発見のポイント

心不全は初期には自覚症状が少ないことが多く、見逃されやすい特徴があります。
そのため、次のような点が早期発見につながるとされています。

・高血圧・糖尿病・腎臓病などの基礎疾患を適切に管理する
・定期的な健康診断や受診を続ける
・血液検査(NT-proBNPなど)を活用する

特に、NT-proBNPといった心不全に関連する指標は、症状がない段階でも異常を示すことがあり、状態を把握する手がかりになるとされています。

早期介入の重要性

心不全は一度発症すると、入退院を繰り返しながら徐々に生活の質(QOL)が低下していくことがあると報告されています。

そのため、
・生活習慣病の早期治療
・薬による予防的な対応
・医療機関での継続的なフォロー
などを行うことで、心不全の発症や悪化を防ぐことが期待されます。

近年では、心不全の発症を抑えることを目的とした治療の選択肢も広がっており、状態に応じた対応が検討されるようになっています。

心不全の治療について

心不全の治療は、患者さんの状態や原因となる病気に応じて行われます。複数の方法を組み合わせて対応することが一般的です。

薬による治療

心臓の負担を軽減したり、体のバランスを整えたりするために薬が使われることがあります。内容は医師の判断に基づいて調整されます。

生活習慣の見直し

日常生活の管理も、心不全の治療において重要な要素です。

・塩分を控えた食事
・水分量の調整
・無理のない運動
・体重や体調の変化の確認 等

日常生活の管理も、心不全の治療において重要な要素です。

継続的な通院

心不全は状態が変化することがあるため、定期的に医療機関で確認を受けることが大切とされています。
体調に応じて治療内容が見直されることもあります。

済生会熊本病院の取り組み

済生会熊本病院では、心不全の患者さんに対して、状態に応じた診療を行っています。診療は複数の専門職が連携しながら行われます。

多職種による診療体制

心不全の診療では、医療だけでなく日常生活の支援も重要とされています。
そのため済生会熊本病院では、医師を中心に、看護師、理学療法士、薬剤師、管理栄養士、ソーシャルワーカーなど、多様な専門職が関わる体制を整えています。
これらの専門スタッフが連携しながら、入院中だけでなく外来においても、患者さんやご家族の状況に応じた支援について検討します。治療内容の説明や生活上の注意点についても、それぞれの専門の立場からサポートを行っています。
また、再び体調を崩さないための生活上の工夫や日常生活での注意点についても、患者さんに応じて説明を行っています。

心臓リハビリテーション

心臓リハビリテーションは、運動だけを行うものではなく、治療や生活の改善を含めた総合的なサポートの一つとされています。運動療法に加えて、生活習慣の見直しや患者さんへの説明・支援などを組み合わせながら進めます。
医師の診察や各種検査をもとに、患者さん一人ひとりの状態に合わせて運動の内容や強さが決められ、安全に配慮しながら実施されます。

・体調の確認(血圧測定や問診)
・状態に応じた運動内容の説明
・ストレッチや準備運動
・自転車運動などの有酸素運動
・筋力トレーニング
・整理体操 等

運動中は脈拍や血圧の変化を確認しながら行われ、無理のない範囲で進めます。

熊本県における地域での診療

心不全は、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、徐々に進行していくことがあるとされています。そのため、入院中の治療だけでなく、退院後も含めた継続的な管理が重要と考えられています。
こうした背景から、一つの医療機関だけで対応するのではなく、地域の医療機関がそれぞれの役割を担いながら連携していくことが大切とされています。

済生会熊本病院 -心不全サポートチーム-

心不全に対する支援は、患者さん一人ひとりに適した治療の提供や円滑な退院支援、さらに心不全に関する理解を深めることを目的として、多職種(医師・看護師・理学療法士・薬剤師・管理栄養士・医療ソーシャルワーカーなど)が連携して行っています。
当院では2013年から、慢性心不全看護認定看護師を中心としたチーム体制で、この取り組みを推進しています。

詳しくは:心不全サポートページをごらんください

済生会熊本病院 -心不全メンテナンス外来-

当院では、心不全の発症予防および増悪防止を目的とした専門外来「心不全メンテナンス外来」を開設しております。本外来では、心不全のリスク評価から治療の最適化まで、患者さんお一人ひとりの状態に応じた総合的な診療を行います。

以下のような症状や状態がある方は、かかりつけ医へご相談ください。

・労作時の息切れやむくみなど、心不全を疑う症状がある方
・自覚症状はないが、BNP/NT-proBNP値の上昇が指摘されている方
・診察で異常(心雑音、浮腫など)を指摘された方
・検査異常(血液検査、レントゲン、心電図、心エコーなど)がある方
・高血圧・糖尿病・慢性腎臓病など心不全リスクを有する方
・心血管疾患の既往があり、これまで十分な評価を受けていない方

医療機関の先生方へ

専用の紹介状をご用意しておりますが、貴院書式でも対応可能です。また、当院ホームページより紹介状のダウンロードも可能です。

心不全メンテナンス外来 案内チラシ
当院ホームページ(紹介状のダウンロードが可能です)

下記の連携広報誌「saikuru」でも特集を組んでおりますので、ぜひご覧ください。

saikuru-vol113

よくあるご質問

心不全とはどんな病気ですか?

心不全は、心臓の働きが弱くなり、全身に十分な血液を送り出せなくなる状態です。特定の病名ではなく、さまざまな心臓の病気が原因となって起こるとされています。

心不全の初期症状にはどのようなものがありますか?

少し動いただけで息切れがする、足や顔がむくむ、疲れやすいといった症状がみられることがあります。症状はゆっくり進むことも多く、気づきにくい場合もあるため、気になる変化があれば早めの受診が大切です。

心不全は予防できますか?

高血圧や糖尿病などの基礎疾患の管理や、塩分を控えた食事、適度な運動、禁煙などの生活習慣の見直しによって、発症や悪化を防げる可能性があります。日頃から健康状態を確認し、必要に応じて医療機関に相談することが重要です。

心不全と診断された場合、どのような治療を行いますか?

心不全の治療は、薬による治療を中心に、生活習慣の見直しや定期的な通院を組み合わせて行います。患者さんの状態に応じて治療内容は調整され、継続的な管理が重要となります。

心不全メンテナンス外来ではどのような診療を受けられますか?

心不全メンテナンス外来では、心不全のリスク評価や治療内容の見直し、再発予防のための支援などを行っています。症状がある方だけでなく、検査で異常を指摘された方や、将来的なリスクが気になる方も対象となります。受診については、かかりつけ医へご相談ください。

 

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