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4 知っていますか?みんなのお仕事・タスク!

臨床の現場では「チーム医療」の必要性が叫ばれてます。昔は医師と看護師、薬剤師などが分業していましたが、お互い話し合うことも少なく、それぞれの職種がそれぞれにカンファレンスを開いて、仕事の内容を確認していました。現在は、検査技師、理学療法士や臨床工学士、栄養士、MSW、医療秘書などさまざまな職種が現れ、分業が進みました。分業は仕事の効率化や質の向上に必須ですが、一方で職種間のコミュニケーションが密に行われないと、思い違いによるミスが起こります。特に患者さんの状態の変化(バリアンス)は重要で、それぞれの職種が正確に把握しておく必要があります。

それぞれの職種がアウトカムを達成するのに必要な仕事を「タスク」と呼びます。医師は治療の方針や目標を決定しますが、すべての職種に詳しく説明する余裕がありません。それぞれの職種もお互いが、いつ、何をどのような形で患者さんに提供するかなどの詳細を把握することはなかなか難しいことでした。これを解決する手段の一つとしてクリニカルパスが開発されました。パスはコミュニケーションのツールとしても有用で、患者の状態とともに、今、誰がどのような仕事をしているかが一目でわかります。

 

タスクがそれぞれ順調に進みアウトカムが達成されれば、とくに問題はありません。ただ、バリアンス、つまり治療が標準的に、言い換えれば順調に進んでいない時はこの情報をみんなが知っておく必要があります。手術で出血がやや多く血圧も低めだとか、食事が思うようにはいっていないなどのバリアンスは時に治療結果を左右する大きな因子になります。これをクリティカル インディケーターと呼びます。こうしたバリアンスが発生した時は、追加的な検査や処置、つまり新たなタスクが発生します。

昔はこうしたケースでもすべて医師が診察し、新たな指示を出して経過を見るといったことが行われていました。たぶん、パスがないと同じように指示を待ってしまい、素早く対応することが難しく、かつ遅れるでしょう。バリアンスに対する対処の方法も標準化されつつあります。例えば39度の発熱があったら、解熱剤Aで経過をみながら採血でCRPと白血球をチェックし、付随する症状に咳や胸痛があったら胸部写真をオーダーするなどはある程度パスに盛り込むこともできます。医師としても診察前に検査がそろっていると助かりますね。

緩和ケア

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