血管造影室 桂 優子

常に予測した行動が求められる現場です。

ーどのような業務をされていますか?

血管造影室でIVRの看護を行っています。IVRはInterventional Radiologyの略でエックス線透視や超音波像、CTを見ながら体内にカテーテルや針を入れて病気を治す治療のことです。この治療は低侵襲治療で、現在の医療に不可欠な存在です。 多職種からなるチームの中で、私たち看護師はコーディネート能力、コミュニケーション能力を発揮しながら、モニタリングを行い、心理的変化への対応、薬剤投与、デバイス準備、感染管理などを行います。IVRは非常に低侵襲の治療法ですが、時に重篤な合併症が発生することもあります。そのため、看護師のフィジカルアセスメント能力が大切であり、常に予測した行動が求められる現場です。

治療中の苦痛が少しでも軽減できる看護を心がけています。

ー現在の仕事のやりがい・喜びを教えて下さい。

現在当部署では〈カテ前訪問〉に力を入れています。治療の前から病棟に出向き、患者さんへの自己紹介とともにIVRについてのオリエンテーション、また実際に患者さんを見て翌日の治療中の看護ケアを考えていきます。そのような取り組みの中で「治療につく看護師さんに話が聞けてよかった」「昨日訪問してくれた看護師さんが担当でよかった」といった声をよく聞くようになりました。IVRはほとんどが局所麻酔下の意識がある状態での治療です。低侵襲治療=患者さんの苦痛がない訳ではありません。そんな患者さんの代弁者となって治療中の苦痛が少しでも軽減できる看護を心がけ、治療後の患者さんが安心して帰室されるとき、喜びを感じます。

自分に与えられた役割のスペシャリストを目指します。

ー今後のキャリアについて、目標や抱負などを教えて下さい。

私は、これまでにHCU、心臓血管センター、血管造影室・救急外来と3部署を経験しました。HCUでは超急性期の看護とともに家族看護の重要性、また病棟では心臓リハビリテーションを通し、患者さんの教育指導の難しさを実感しました。どの部署でも、自分に与えられた役割のスペシャリストを目指し、心臓リハビリテーション指導士、そして今年、IVRの専門知識と技術を兼ね備えた人材を育成するために新設された専門資格「インターベンションエキスパートナース」の資格を取得しました。このような高度医療に携わる看護師として今後も自己研鑽し、看護の質を高める努力をしていきたいと思います。

専門分野で活躍する看護師

  • 高度医療(ダヴィンチ)
  • 高度医療(ハイブリッド)
  • 救急医療
  • がん看護
  • 退院支援
  • 予防医療