特徴

TQMとはTotal Quality Managementの略で、総合質管理や総合質経営などと訳されています。簡単にいえば、医療の質を管理することで、患者さんが安心して安全な医療を受けることができる環境を整える、すなわち、“質の高い医療”を提供するために活動している部署です。「医療の質の向上」を進める部門として、当院では大変重要な役割を果たしています。

TQM部では、医療安全管理、感染管理、品質管理などを多職種で組織横断的に行っています。それぞれに専従者を配置し、診療現場に有用な情報提供、改善提案等を行っています。

TQM部の体制

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職種の構成

主な業務内容

医療安全管理（より安全な医療を目指した取り組み）

院内の医療安全に関する情報を収集し、現場にフィードバックし、「医療安全上の問題事例について再発を防ぐ」ことを目的として活動しています。

1. 医療安全上の問題点の抽出

全ての死亡症例、集中治療室への移動症例について、その経過や手続きに問題がなかったか毎日確認しています。また、インシデントレポートの報告、職員から報告・相談があった事例について、多職種で問題点の有無について検討しています。

2.医療安全上の問題点の分析・再発防止策の検討

振り返りが必要と判断した症例については、TQM部内での検討に加えて、担当部署とともにカンファレンスを開催し再発防止策の検討、手順の見直しなどを行います。

3.医療安全上問題がある事案が発生した際の早期対応

有害な事案が発生した場合、患者さんの損害を最小化するために、患者安全の視点で担当部署と共に速やかに対応します。

4.医療安全ラウンド

医療安全上のリスクを削減するために病院内をラウンドしています。特に患者さんの動線や目線を考えた転倒転落の防止に力を入れています。

これらの活動を通して、医療安全の潜在的なリスクを抽出し、優先順位を決めて、リスクを削減する活動をしています。また、各部署と密に情報を共有し、重大事例が発生した場合には直ちに対応できる体制を整えています。

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感染予防と管理

病院内外の情報をもとに感染症に関わるリスクアセスメントを行い、サーベイランスデータをもとにしたプロアクティブな医療関連感染予防活動や教育、そして地域の感染対策の水準向上を目指して活動しています。

1. サーベイランス活動

デバイス関連感染、手術部位感染、多剤耐性菌の発生状況、抗菌薬の使用状況などを分析し、関係部署へフィードバックを行いながら、部署とともに感染予防に努めています。

2. 感染症診断と治療

スクリーニング・サーベイランス業務を通じて感染症の早期発見に努め、早期介入に努めています。

3. 感染ラウンド

感染のリスク削減を目的に定期的に院内をラウンドしています。

4. AST（抗菌薬適正使用チーム）活動

抗菌薬の使用状況をモニタリングし、必要に応じて主治医とコンタクトをとり抗菌薬適正使用の促進や、感染症に関するコンサルテーションを行います。

これらの活動を通して、院内感染の潜在的なリスクを抽出し、優先順位を決めて、医療関連感染の発生を防ぐために活動しています。また、細菌検査室や各部署と密に情報を共有し、重大な感染事例が疑われる場合には、すぐに調査・対策を実施できるよう体制を整えています。

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品質管理

当院では各部門が主体となり、患者さんの安全を確保し、質の高い医療を提供するための活動を行っています。品質管理室では、この活動を効率的・効果的に行うためのサポートを日常業務とし、主に以下の取り組みを行っています。

1. QPS指標（Quality improvement and Patient Safety；質の改善と患者安全）の管理

各部門・委員会が「リスクアセスメント」をもとに選択した、優先順位の高いリスク項目について、評価指標の選定・測定・分析・データ検証等を通じて、各部門・委員会が主導で行う医療の質改善活動の実践を支援しています。

2. KAIZEN活動の推進

「職場を安全にする」ことを中心に考えた6S活動。各部署の責任を負える範囲で行う、時間や動線などの無駄を削減する「KAIZEN活動」推進の事務局として活動しています。

3. JCI認証継続

当院では、患者さんの安全確保と医療の質改善のための外部評価として、米国の国際医療機能評価機関（JCI：Joint Commission International）の認証を受けています。JCIの認証は3年ごとに更新することが必要であり、更新の都度、最新の基準書に基づき、当院の診療体制をアップグレードしています。品質管理室は、JCI認証継続の事務局として活動しています。

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