RI検査
検査情報
RI検査とは
RI検査では、放射性同位元素(Radio Isotope:RI)を含んだ薬品(放射性医薬品)を用います。放射性医薬品は検査の対象となる臓器に集まり、微量の放射線を発するため、これを専用のカメラで撮影します。この検査で臓器の機能や代謝情報を画像化、数値化することにより、機能評価や病期診断、治療効果判定に有用な情報を得ることができます。
当院の導入装置
検査について
検査前
- ほとんどの検査では静脈から薬品(放射線医薬品)を注射します。検査によってはガスを吸入して検査を行う場合があります。
- 投与後は数十分~数時間お待ちいただく場合があります。また、検査によっては1~3日程度時間を空けて撮影を行う場合があります。
- 食事制限や下剤の内服、服用中の薬の一時中止をお願いする場合があります。
検査中
- 検査は専用ベッドの上に仰向けになって行います。
- 検査時間は数分~1時間程度かかります。また、検査によっては数回撮影を行う場合があります。
- 息を止めて撮影する必要はありませんが、できるだけ動かないようにしていただく必要があります。
検査後
- 検査によっては、次の撮影まで安静にしていただく必要があります。
検査による体への影響について
RI検査で使用する薬品は副作用が少なく、近年の副作用の発生率は0.0008~0.0014%と報告されています。
RI検査で受ける放射線の量は、胃のX線検査と同じかそれ以下です。放射線の量は時間とともに減少し、体外へ排出されますので心配ありません。
ただし、胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。妊娠している方またはその可能性がある方は、RI検査を受けることができません。
ご注意いただきたいこと
RI検査で使用する薬品は患者さんに合わせてオーダーするため、他の患者さんに使用することができません。
キャンセルされる際は、検査前日の16時までにご連絡ください。検査前日が休日の場合、休日の前日16時までにご連絡ください。
心臓のRI検査
心筋血流シンチ
心筋へ流れる血流の量や心筋の機能を調べる検査です。冠動脈疾患などの診断に使用します。当院では高性能のカメラを利用し、通常よりも少ない量の薬品の投与で検査を行っています。
骨のRI検査
骨シンチ
- 骨の炎症や骨折
- X線撮影で診断が困難な疲労骨折や骨粗鬆症に伴う骨折
- がんの骨への転移の有無
などの診断ができます。
テクネシウムという薬品を注射して3時間程度待機し、骨に十分薬が集まってから撮影します。通常は午前中に注射し、午後から撮影となります。
検査中はできるだけ動かないようお願いします。検査は通常、50分程度で終了します。
脳のRI検査
脳血流シンチ
- 脳梗塞や脳出血などによる脳血流の異常
- 脳腫瘍・てんかん・外傷などによる脳血流の異常
- 認知症の診断
などを調べます。
仰向けの状態になっていただき薬品(放射線医薬品)を注射した後、40分間程度撮影し脳の血流状態を調べます。左右の脳の血流量を測定することによって、手術適応の判定、手術後の効果などを確認します。
また認知症がある場合は、それが脳血管障害によるものか、アルツハイマー型によるものかを調べます。
ドパミントランスポーターシンチ
- 特発性パーキンソン病
- レビー小体型認知症
- 進行性核上性麻痺
などの診断に有用です。
ダットスキャン静注という薬品を注射し、3時間程度院内にて待機して頂いた後に撮影となります。通常は午前中に注射し、午後から20分ほど撮影を行います。
この検査では、パーキンソン病やレビー小体型認知症で低下すると言われている脳内のドパミントランスポーターの量を評価することができます。
※その他、以下のような検査があります。
肺血流シンチ、肺喚起シンチ、Ga(腫瘍)シンチ、下肢静脈シンチ、肝シンチ、甲状腺シンチ、副甲状腺シンチ、出血シンチ、腎血流シンチ、副腎シンチ、脳槽シンチ、てんかんシンチ など