間質性肺炎
疾患情報
吸い込んだ空気が気管支を経て、最終的に運ばれるぶどうの房状の袋を「肺胞」といいます。
間質性肺炎は、肺の細胞の壁に炎症細胞が集まって正常構造を壊し、線維化(注1)する疾患です。肺の壁が厚くなるため伸縮しにくくなり、呼吸困難が起こりやすくなります。
膠原病(注2)と総称されるリウマチ系の病気や、薬剤、アレルギーなど、さまざまな原因で起こりますが、原因不明(特発性)の場合もあります。
(注1)線維化は、膠原線維と呼ばれる物質が増え、皮膚や内臓の厚みが増していくことです。
(注2)膠原病は、血管や皮膚・関節などに炎症が起こる疾患です。
病名
間質性肺炎、肺線維症
症状など
痰を伴わない(もしくは、あっても少量かつ透明から白色調の痰)咳から発症することが多く、症状が進むと労作時の息切れ(坂道や階段での息切れ)が出てきます。6ヵ月以上の経過で緩やかに症状が起こる場合(慢性例)や、2~3ヵ月の経過で起こる場合(亜急性例)、1ヵ月以内での経過で急速に起こる場合(急性例)があり、原因や間質性肺炎の種類によって異なります。
また、症状がなく、健診におけるレントゲンの異常により見つかる場合があります。
健診発見例を対象に、当院と熊本大学病院、熊本赤十字病院と共同で、間質性肺炎・肺線維症の未発症段階と考えられている肺間質異常(ILA)の臨床研究(熊本ILA研究)を、2022年6月から開始しています。3施設間で症例毎に診断検討を行い、未発症段階から進行の有無を評価し、進行例には早期治療導入を行っています。
主な検査
- 胸の聴診所見・胸部X線撮影・胸部CT検査で、間質性肺炎を疑います。
- 特定の原因があるかどうか(薬剤、リウマチ性疾患・膠原病など)を問診や血液検査で確認します。
- 気管支鏡検査で、病変部位を洗浄し(肺胞洗浄)、病態の解明・診断に努めます。
- それでもはっきり診断が付かない場合は、胸腔鏡下手術による肺生検を検討する場合もあります。
- 手術による生検が難しい症例の診断においても、その有用性が確立されている新たな生検法クライオバイオプシー(窒素または炭酸ガスをプローブ内に循環させ、組織を凍結して採取する方法)を実施する場合があります。
治療方法
原因や病態に応じて治療方針を立てるのが原則ですが、原因不明の場合も多いです。完全に治す薬剤は、今のところありません。進行を遅くする目的で、ステロイドや免疫抑制剤、抗線維化薬を用いた治療が行われます。肺移植の適応がありそうな患者さんには、その選択肢を提示し、移植可能な医療施設にご紹介することもあります。
また当院では、厚労省びまん性肺疾患研究班が主体となって行われている間質性肺炎の診断・治療に関する臨床研究にも参画し、全国の専門医の意見も参考にしながら、診療を行っています。さらに、国際共同治験にも積極的に参加しており、治験という形で、治療選択肢が限られている間質性肺炎の患者さんに対して、治療機会の提供を行っています。
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