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冠動脈疾患【急性冠症候群、心筋梗塞、狭心症、CABG(冠動脈バイパス術)】

冠動脈疾患【急性冠症候群、心筋梗塞、狭心症、CABG(冠動脈バイパス術)】

疾患情報

心臓表面にある心臓の筋肉(心筋)に血液を流す冠動脈と言う血管の動脈硬化が進行し、血管が細く狭くなると、その先の心筋細胞に十分な血液が供給できなくなります。
このように、心筋細胞が一時的に血液不足に陥った状態(虚血)、または虚血による細胞ダメージ(心筋梗塞)を受ける病気を冠動脈疾患と呼びます。

冠動脈疾患を持つ方は、典型的には胸が痛くなるという症状が出ますが、症状や痛みの強さは個人により異なります。
また、重度の冠動脈狭窄があるにも拘わらず、全く症状がない方もいらっしゃるため、注意が必要です。

病名

労作性狭心症、無症候性心筋虚血、急性冠症候群、心筋梗塞

症状など

狭心症

冠動脈内腔が狭くなり、心臓の筋肉に流れる血流が少なくなったために生じる痛みや圧迫感等の症状です。運動時や作業時に生じるものを「労作性狭心症」と言います。

また、検査上、高度の冠動脈狭窄があるにも拘わらず、殆ど症状が無い場合もあります。「無症候性心筋虚血」と言われ、虚血のある患者さんの内、1割~2割弱の方で症状がないと言われています。糖尿病の患者さんや70歳以上で加齢と伴に増えてきます。

また、血管の狭窄度がきつくなってくると、軽い労作業(食事や入浴等)でも発作が生じるようになります。これを「不安定狭心症」と言います。また、短期間に症状を繰り返す場合や安静時にも症状が出現する場合も「不安定狭心症」と言い、治療を急ぐ必要があります。急性心筋梗塞の一歩手前の状態です。

急性冠症候群

冠動脈壁内にプラークというカスが貯まり、それが血管内の出来物のように急激に大きくなると冠動脈が狭くなり、またプラークが破裂したり、その部分に血栓という血の塊がつくと血管を閉塞させたりことにより、安静にしていても冷や汗を伴うほどの強い胸痛や胸の圧迫感を感じ、15分以上持続、または軽減増悪を繰り返し、症状の改善が無い状態になります。この場合は、心臓の細胞が壊死を起こして来ており(急性心筋梗塞)、死亡等重篤な状態に陥る可能性が高いため、治療を急ぎます。

心筋梗塞になっているかどうかは、症状、心電図、血液検査などから判断され、心筋梗塞と病名がつきます。

心筋梗塞の前の段階で、症状が出やすくなっている状態を「不安定狭心症」と呼ぶことがありますが、総じて「急性冠症候群」と表現します。急性冠症候群では、不整脈(脈の乱れ)を起こしたり、場合によっては突然死に繋がる場合もあります。心臓のダメージが大きいと、「心不全」となる場合もあります。

主な検査

心臓超音波図検査造影CT検査カテーテル冠動脈造影検査核医学検査

治療方法

薬物治療、カテーテル冠動脈形成術、冠動脈バイパス手術

患者さんの状態により治療方法が異なります。90%以上の冠動脈疾患の患者さんは、薬物療法、カテーテル冠動脈形成術で治療を行いますが、非常に病変が複雑であったり、重症であったり、カテーテル手術を繰り返す必要がある患者さんは、冠動脈バイパス術が必要と判断されます。

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