脳腫瘍
疾患情報
頭蓋骨の内側で、異常な細胞が増殖する疾患を脳腫瘍といいます。
脳腫瘍には、良性から悪性までさまざまな種類があります。頭蓋骨の内側の組織から発生するものを「原発性脳腫瘍」といい、髄膜腫・神経鞘腫・下垂体腺腫・神経膠腫などがあげられます。また頭蓋骨の外側からがん細胞などが脳へ転移した場合は、転移性脳腫瘍と呼ばれます。最も多いのは肺がんからの脳転移です。
病名
髄膜腫、神経鞘腫、下垂体腺腫、神経膠腫、転移性脳腫瘍 など
症状など
症状は、腫瘍の種類や発生部位によって異なります。腫瘍によって頭蓋骨の中の圧力が上昇し頭痛や嘔吐(朝方に強い)が起きるほか、麻痺・けいれんなどもよく見られます。下垂体腺腫の場合は視力や視野の異常が特徴的ですが、下垂体ホルモンの異常として、無月経や乳汁分泌などの症状も起こします。
髄膜腫・神経鞘腫・下垂体腺腫については手術が不可欠です。中でも神経膠腫は、手術に加えて放射線治療や化学療法が必要となります。熊本大学付属病院脳神経外科との連携のもと、治療を行います。
転移性脳腫瘍(体の他の部分にあるがんが脳内に転移して起こる疾患)に対しては、患者さんのQOL(Quality Of Life:生活の質)に配慮し、ガンマナイフ治療を採用しています。
主な検査
頭部CT検査、頭部造影MRI検査、脳血管造影検査、PET/CT検査
治療方法
開頭腫瘍摘出術
髄膜腫や神経鞘腫などの脳腫瘍に対して行う手術です。髄膜腫に関しては、事前に血管内から栄養血管を詰めて、手術時の出血量を減らす方法を取ることがあります。
ガンマナイフ治療
転移性脳腫瘍に対する治療です。ガンマ線という放射線を病変部に集中して当て、開頭手術を行うことなく治療する方法です。良性脳腫瘍であっても、頭蓋底の摘出が困難な場合など、この治療方法を選択することがあります。
下垂体腺腫摘出術(経蝶形骨洞法手術:ハーディー手術)
下垂体腺腫やラトケのう胞(下垂体の近くに発生する袋状のできもの)などに対して行います。片側の鼻腔内から副鼻腔(蝶形骨洞)を経由して病変部(トルコ鞍・脳下垂体)に到達し、腫瘍を摘出する手術方法です。開頭することがないので、脳を傷つける可能性が低くなります。
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